竹炭  空気調節と煙 ■ その7

着火直後

 炎が下方へ流れるようになれば、あとは火力の調節をしなければなりません。火力調節は、空気穴の開閉による調節ということになります。いちどにふたを閉じると、対流が中断しますので、2cmほどの間隔をとっておきます。この間隔は火が消えなければ、もっと狭くしてもいいようです。
 煙突からは、盛んに白い煙が出ます。この白い煙の大半は、竹に含まれる水分(水蒸気)なのです。中の様子は今後見えないわけですから、この煙だけが判断の基準になります。何度も竹炭作りをしたい方は、このページのように時間の記録とともに、写真記録をとることをおすすめします。

 

30分後

 30分ほど経過したら、穴を1cmくらいにします。ブリキ板は焼けていますので、ご注意。炭は最低の条件での燃焼ということですから、酸欠状態での燃焼が継続されています。酸素が多すぎれば、炭でなく灰になってしまいます。しかし、酸素が不足すれば、火は消えて竹のままで終わります。
 煙突からの煙に変化はありません。この時間で煙が出なくなったら、火が消えています。この水分を多量に含んだ白い煙は、一時間は続きます。ですからずっとそばについているのでなく、職員室に帰り仕事をしましょう。職員室の窓からも煙は見えますので、心配しなくとも大丈夫です。

 

1時間後

 最初の段階でよく燃えていたなら、空気穴の幅を5mmくらいにします。またオイル缶とふたのすきまからも空気が入りますので、周囲に土をかけておきます。
 1時間くらい経過すると、煙の様子が変わります。それは煙の量が減り、すこし透明になってきます。しかしこの状態でも、竹は完全に炭になっているわけではありません。

 

1時間半

 ブリキ板で作っているすきまも、土をよせているためほとんどありません。それでも、少しだけ空気は入っています。煙突の煙は、先ほどの「」の状態です。まだまだ水蒸気が出ています。もしこのとき、下の写真のような煙の状態であれば、穴を完全にふさいでもよいでしょう。

 

2時間後

 2時間経過すれば十分です。もっと早く、穴をふさぐこともありました。その根拠は、煙の量も極端に減り、しかも写真のように透明になっているからです。ここまでくれば、後は煙突を引き抜き、土を完全にかける作業に移ります。

 炭焼きでもっとも難しいのが、煙の様子を見ながらの空気(火力)調節です。燃えれば灰になり、燃えなければ竹のままです。その中間の不完全燃焼を継続させるわけですから、何度かの経験が必要です。またオイル缶の場合は容積が小さいため、一部は灰になり、一部は竹のままという状態が必ずあります。それが普通ですから、失敗したと思ってはいけません。