平成17年度入学式式辞 

校庭の木々の若葉が春の光を浴び、春本来の香りの良い季節となりました。プロムナードのサクラも満開となり、あたかも新入生の入学を祝っているかのようです。本日ここに、日頃より本校教育にご理解とご協力をいただいております、ご来賓の皆様方多数のご臨席を得て、入学式が行われますことを、心から感謝申し上げます。

116名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。いよいよ皆さんは、今日から創立17年目を迎える井芹中学校の生徒として、第一歩を踏み出しました。これから始まる中学校生活はわずか三年間ですが、心や身体の成長は、一生の中でもっとも著しい時期であると思います。

そこで、まず勉強に、授業に集中してほしいと思います。今こそ身体も小さく、子どもらしいあどけなさの残る面持ちですが、個人によって差はあるものの、男子が平均で20cmも身長が伸び、男女を問わず15kgを越える体重の充実が見られます。即ち、わずか三年間で身長はあっという間にお母さんの背丈を追い越し、重くなり、その働きを増し、頭は信じられない程の事柄を記憶し、物事を解決していくことができるようにもなるのです。そのような大切な時期には、皆さんの心や身体に、色々な刺激を与えることが必要となります。

脳の細胞は、学習という刺激によって、新たな細胞と連なり、記憶や考える力を高めていきます。学習を積み重ねること、即ち新しい刺激の連続によって、三年間で驚くほどの知識を獲得し、解決していくことができるのです。この時期に勉強することの大切さは、そこにあるのです。

一方、私たちの筋肉は、運動という刺激によって、太く強くなります。体育の授業や部活動で、運動の刺激を繰り返し与えることによって、大人も及ばないほど早く走ったり、むずかしい技術をこなすことができるようになるのもこの時期です。中学校三年間は、自らに刺激を与えること、自らを鍛えていくということが、きわめて大切な時期なのです。

次に、温もりのある心をもって友達と接してほしいと思います。すべての人が、必ずしも同じように恵まれているわけではありません。身体のこと、学力のことなど、それぞれに十分でない所があれば、それらを互いに補い合い、助け合い、協力し合っていくのが学校であり、友達であると思います。

手助けのいる友には手を貸し、悩みをもつ友には相談にのり、誤った道を歩もうとする友には厳しく諭すなど、常に温かい心のふれ合う友情のきずなを固くする学校にしてください。そのことによって、本校では絶対に陰湿ないじめなどあってはならないし、また、皆さんの心に、いじめを決して許さない誓いを、この場でしていただきたいと思います。

保護者の皆さまに申し上げます。お子様のご入学、誠におめでとうございます。本日より116名の大切なお子様をお預かりいたします。三年の歳月をかけて、知・徳・体の調和のとれた人に育てていくために、全職員が力をあわせ努力いたします。教育の成果は、教師と生徒、生徒同士がお互いに認め合う信頼関係の上に向上します。また、家庭と地域と学校が連携を深めていけば、お子様の能力を伸ばし、教育活動は充実したものになると信じています。皆様方のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。
新入生の精一杯のやる気を期待して式辞といたします。

平成17年4月11日 熊本市立井芹中学校   校長  福井 俊介