◆ 砥用町・阿芹場橋 

場所 阿芹場橋(あぜりばばし)の所在地は、下益城郡砥用町洞岳(ほらおか)の夏水(なつみ)です。松橋町から国道218号線を東に進み、砥用町へ入ります。砥用中学校を1kmほど過ぎた所に、右折する大きな交差点があります。ここから右に入れば、雄亀滝橋や内大臣橋へ通じる県道153号線です。

曲がりくねった山道ですから、バイクは注意しなければなりません。山砂や枯葉が積もっていて、滑りやすくなっています。スリップしてアセリバ。緑川ダムからさらに2kmはあるでしょう。夏水という民家がある場所の少し先に阿芹場橋があります。道路の左下に位置します。ここまで来るときは、ガソリンも確認しておきましょう。家族への連絡も早めにしておいたほうがいいでしょう。携帯電話の圏外になります。

この橋の架橋年代と石工は不明です。単一アーチの石橋は、人里離れた山奥にありました。一度水害で崩壊し、その後修復されましたが、砥用町の指定文化財になっています。橋の長さ9.8m、橋の幅1.8mの造りです。今はほとんど使用されていない旧道にかけられていました。砥用町設置の説明書きは次のようになっています。

阿芹場橋  砥用町には、重要文化財である霊台橋(単一拱として日本最大)、県指定文化財の雄亀滝橋(水路橋)をはじめ数多くの石橋が現存している。現在本町では、「石橋と山と湖の里づくり」を進めているがその基調となるものは、石橋の架橋に心血を注いだ当時の石工をはじめとする村人達の心意気である。
この阿芹場橋は、宮崎県椎葉村に通じる目丸街道に架られた長さ9.8m、巾1.82m、高さ4.5m砥用町最奥の石橋である。(建造年月日等不明)掛石の数37個、巻石の数は120個にものぼり、何の機械力も用いることなく全て人力で積上げ、中央の「くさび石」一点で合致させている。昭和57年の水害により半壊したものを昭和62年現代の石工の技により修復した。これを機に橋内構造を把握し記録をスライドに納め、石橋文化の資料として広く活用するものである。
昭和63年3月 砥用町

橋へ行くための遊歩道があります。橋の上に立つと、音を立てて流れる川の水が印象的です。すぐ近くに教え子が嫁いで来ていますので、近所の方に場所を尋ねて訪問しました。本人は留守でしたが、たくさんの犬が歓迎してくれました。