◆ 菊池市・迫間橋 

場所 迫間橋(はざまばし)の所在地は、熊本県・菊池市西迫間にあります。菊池神社を右手に見て、県道133号線を北上します。この県道沿いには、迫間橋・雪野橋・龍門橋・虎口橋と順に見学できます。迫間橋は、菊池市街地から500mほどでしょうか。県道からは下方に位置して見えないので、西迫間の町に入ります。ガソリンスタンドの側から降りることもできます。

この橋は文政12年(1829年)に架けられた、単一のアーチ橋です。迫間川に架けられた橋の長さは36.4m、幅員(道幅)は4m、高さ10mとなっています。輪石は小さく造られ、また輪石の上の壁石も無造作に並べられています。

二つの写真は橋の様子を撮影したものですが、左側の碑文と右側の輪石の大きさについて説明書きがありました。菊池市教育委員会が、昭和63年3月に設置した案内板を掲載します。  人と人 心もつなぐ 迫間橋

迫間眼鏡橋  眼下の迫間川渓谷をまたぐこの石造眼鏡橋は、隈府町及び豊間方面と西迫間・小木村を結ぶ重要な橋で、長年の要望にこたえ文政12年(1829)完成した。碑銘には惣庄屋 石渕七郎右衛門、庄屋 打出市郎兵衛、世話方庄屋 平山八左衛門、総入目寸志(総工費出資)田尻藤七郎、石工 伊助と刻まれている。
長さ36.4m、幅4m、高さ10m、文政年間では熊本最大の石造眼鏡橋で、当時この技術を持つ者は八代郡種山村の三五郎一族だけとされていたが、この橋の石工は西迫間村の伊助であった。この橋のアーチは扁平で拱環(こうかん・半円部の輪石)も種山式に比べ薄く独得のものであるが、激しい諸車の通行にもかかわらずよく百六十年の風雪に耐え、川面に写る景観は諸人の眼を楽しませている。なお、碑文「迫間橋」は、隈府町の学者 城野静軒の筆である。