◆ 菊陽町・井口眼鏡橋 

場所 井口眼鏡橋(いぐちめがねばし)の所在地は、菊池郡菊陽町大字辛川字井口です。熊本市からは国道57号線(東バイパス)を北上して、県民総合運動公園の入口へ行きます。ホテル「火の国ハイツ」の先に大きな歩道橋がありますので、そこから右折します。この道路は県道145号線で、3kmほど直進すると、T字型交差点近くにあります。目印は、赤い火の見やぐらです。

壁石は少なく、頂上部は輪石だけといった小さな石橋です。県道と平行して流れる馬場楠井出に架けられたもので、長さ10.8mです。欄干は角柱の石が並べられただけで、通路部分は砂利道になっています。輪石は石の楔で連結されていますが、この技法は御船町・門前川眼鏡橋や植木町・豊岡眼鏡橋と同じ方法です。昭和55年2月26日に、菊陽町指定文化財になっています。
この石橋に関する説明書きがありましたので、最後の段に紹介します。

井口眼鏡橋(昭和55.2.26指定) この眼鏡橋は、馬場楠井出に架かる単一アーチ橋(石造)である。この橋の特徴は、輪石を石契で継いだ工法が用いられている点である。この技法は琉球式(沖縄)石組みといわれ、県内でもきわめて珍しい石橋の一つである。しかし、この橋は、交通事情の変遷によって、東側半分が、後年拡幅工事されており、この橋の鑑賞にあたっては、西側(下流)から見学されることをお推めしたい。数少ない、貴重な遺産であり、大切に保存したいものである。