◆ 砥用町・馬門橋 

場所 馬門橋(まかどばし)の所在地は、下益城郡砥用町今です。松橋町から国道218号線を東に進み、砥用町へ入ります。豊野村・中央町を過ぎて砥用町に入ると、左側に緑色の「馬門橋」と書いた案内板が立てられています。ここからは畑の中を徒歩で行くことになります。5分ほど農道(旧街道)を進むと、やがて林の中に大きな石橋が現れます。

この橋は文政10年(1827年)に架けられた、単一アーチの石橋です。砥用町の指定文化財になっています。橋の長さ27m、橋の幅3m、高さ9.2mの造りですが、なんともいえない雰囲気が漂っています。まさに石橋の風格があり、険しいがけとうっそうとした木立の中でタイムスリップをしたようです。しばらくここで一人たたずんでいました。橋のすぐ近くには新しい橋の橋脚がそびえ立っています。国道や新しい道は、ひたすら直線の道路を求めています。

昔は馬車の幅があればよかったのでしょうか、私たちが見慣れている道よりは狭いようです。昭和58年7月付けの砥用町設置の案内板には次のように記されています。

砥用町指定文化財 「馬門橋」
馬門橋は文政10年(1827年)石工茂吉・勘五郎により架橋されたもので両脚間は11.9m。橋幅は3.12mである。この橋は砥用町でも早い方で熊本県全体から言っても初期に属する。両岸が相迫って絶壁をなし、周辺には樹木が茂り渓間には清流が流れるなど他の石橋とは違った雰囲気をなし、砥用石橋の中でも一番絶景である。また新旧二層からなりたっていることも特長の一つである。