◆ 南関町・麻扱場橋 

場所 麻扱場橋(おこんばばし)の所在地は、熊本県玉名郡南関町大津山自然公園です。熊本市からは菊水町あるいは玉名市から北上することになります。目的地は高速道路・南関I.Cの近くにあり、国道443号線には「大津山自然公園」の大きな標識も見えますからすぐに分かります。整備された美しい公園で、広い駐車場も備えています。春には家族連れでにぎわうことでしょう。

この橋に関する資料が残っていないため、建造年は江戸末期か明治初期と推定されています。また、石工も不明です。橋の長さ11.9m、幅2.77mの単一アーチの石橋です。石橋が公園に移設された例は多く、保存を望む人々が多いことも事実です。一番上の写真は、近所のコンビニで購入した弁当を食べているところです。訪問した時期が9月だったため、誰もいない静かな環境の中で、一人寂しく冷たい弁当を食べたのです。
南関町設置の説明書きを紹介します。

麻扱場(おこんば)橋  おこんば橋は、南関町大字下坂下、北辺田の内田川に架かっていたアーチ式の石橋で、平成5年にほ場整備にともなう河川改修により、解体撤去のやむなきにいたり、ここ大津山公園内の太閤水の地に移転復元されました。建造年代は不明ですが、江戸末期か明治の初期と考えられています。石工名も残念ながらわかっていません。
橋名は、昔内田川で麻のさらしが行われていて、橋の近辺を「麻(お)扱(こ)き場」と呼んだことによるものです。撤去前は農道として近隣の人々が利用する程度でしたが、昔は肥猪方面から高瀬に出るには、この橋を渡り、上坂下、三ツ川を抜けるのが最短でしたので、多くの人々が利用する大事な橋でした。おこんば橋は、やむをえず移転復元されましたが、これからもずっと町の文化財として大切にしていきましょう。

[測定値] 橋長11.9m  幅員2.77m  スパン8.9m  拱矢4.7m  輪石数35
南関町  南関町教育委員会