◆ 東陽村・大久保自然石橋 

場所 大久保自然石橋(おおくぼしぜんいしばし)の所在地は、八代郡東陽村北です。熊本市から国道3号線を南下して宮原町へ行きます。宮原町から国道443号線を利用して、石橋で有名な東陽村へ向かいます。石橋公園で左折して直進すれば「石匠館」に着きます。この石匠館の前の道路が県道155号線であり、いくつもの石橋に案内板があります。一番北にあるのが大久保自然石橋で、県道から100mほど細い山道に入りますが、案内板が設置してありますので、すぐに分かります。

 

この石橋は明治28年(1895)に、橋本勘五郎によって架けられたものです。加工した石でなく、自然にある石だけを使ってこの橋は造られています。長さ1.7m、幅0.7m、径間0.8m、拱矢0.5mのかわいい橋です。通潤橋を造った橋本勘五郎は、明治6年に東京に行き内務省に勤務しました。それから22年後ですから、勘五郎は高齢だったと思われます。丸太を渡せば簡単に橋はできてしまうのですが、石にこだわる地域性かもしれません。

ここへ見学へ来たのは、8月の初旬でした。やぶの中には蚊が多く、手ではらいながらの撮影になりました。この橋を最初に見て、県道を下りました。道筋には鍛冶屋上橋、鍛冶屋中橋、鍛冶屋自然石橋があり、石匠館へ戻ることができます。大久保自然石橋から石匠館までの道筋は、散策コースとして整備されています。
石匠館の道向かいは橋本勘五郎の生家がありますし、さらに鍛冶屋下橋も近くです。国道沿いの石橋公園へ行けば、重見橋を眺めて休憩することもできます。