◆ 泉村・竹の子橋 

場所 竹の子橋(たけのこばし)の所在地は、八代郡泉村大字栗木です。熊本市から国道3号線を南下して宮原町へ行きます。宮原町から国道443号線を利用して、石橋で有名な東陽村へ入ります。さらに国道443号線で泉村を進み、消防署・泉分駐所から右折して泉村役場に向けて走ります。やがて泉第二小学校が見えてきます。ここに落合橋があり、もうしばらく進んだところに竹の子橋があります。県道と平行になって石橋がありますし、新しい橋も眼鏡橋の形になっていて目立ちます。

竹の子橋は単一アーチの石橋であり、昭和2年に架けられたものです。石工の名前はわかりませんが、橋の長さ18.3m、幅3.1mとやや大きめの眼鏡橋です。この石橋は車の乗り入れはできませんが、自転車歩行者専用道として保存されています。訪れたときに見た川は普通の川ですが、一旦豪雨になれば木の橋など押し流す濁流となることでしょう。石橋は常に地域住民のために造られた、貴重な橋なのです。

この写真は、県道52号線に架けられた新しい橋(竹の子橋)です。旧橋に合わせて、デザインはアーチになっています。橋のたもとには平成2年3月付けの泉村設置の説明書きがありましたので、紹介します。

竹の子橋の概要 この橋は、当時、栗木川に丸太を数本渡して往来していたが、度重なる洪水により流失を繰り返し、地元住民にとっては大変不便であった。そこで、地元住民より洪水の時でも流失しない石橋(眼鏡橋)架設の機運が高まり、村の予算と一部住民の夫役によって、近くの野添地区で採掘した石材を使用して昭和2年に完成したものである。そして、もとよりこの地を竹の子渡しと呼んだことにより、この橋を「竹の子橋」と名付けたのである。
現在の橋は、大型車の通行に支障を来たすため昭和62年に新設したものである。なお旧橋は文化財としての価値があるため取り壊さずに自転車歩行者専用道として残すことにした。新しい橋のデザインは旧橋の石造りのアーチ橋との景観調和を考慮し同様のアーチ橋とし、壁面には特殊型枠を用いるなどの工夫をして石橋らしさを表現した。また、「平家伝説の里づくり」の一環として橋の高欄中央には平家の紋章である「あげは蝶」を、親柱には「久連子鶏」のつがいのレリーフを配している。