◆ 矢部町・立野橋 

場所 立野橋(たてのばし)の所在地は、上益城郡矢部町金内です。御船町から国道445号線を東に進み、矢部町へ入ります。この国道沿いに中島東部小学校があり、その手前200mほどの地点です。道路沿いに「立野橋」の案内があり、国道から路地を徒歩で5分ほど下った所にあります。位置的には滑川橋と金内橋の中央になります。

この石橋は、嘉永3年(1850)に架けられた金内橋と同じ時期に造られたようです。単一アーチの石橋で、橋の長さ30.3m、橋の幅2.6m、スパン3.1mの造りです。橋の上は平らな構造ですが、人も渡れますが水路橋となっています。矢部町の指定文化財になっていますが周辺は雑草が茂り、全体像がつかみにくい状況でした。昭和49年1月14日に矢部町文化財に指定されています。

石橋を見学すると、そのアーチの造りを観察してうっとりしますが、橋を造った目的を見失いがちです。この橋は人を通すのではなく、水路橋になっています。高い石積みは、水の流れに合わせたものでした。最初は橋の下に降りたために、この水路に気づきませんでした。写真の水路は福良井出であり、金内橋の小さなアーチの下を流れてきたものです。