◆ 矢部町・通潤橋 

場所 通潤橋(つうじゅんきょう)の所在地は、熊本県・矢部町にあります。熊本市から矢部町へ行くには、国道3号線を南下して松橋町から松橋インターチェンジ前を通過して、国道218号線を利用する方法があります。もう一つは御船町を経由して、国道445号線を利用して矢部町へ行く方法です。矢部町の中心街へ入れば案内標識もありますので、通潤橋へ行くことができます。車を止める場所が物産館(虹の通潤館)であれば、放水シーンを下から見ることになりますが、橋の上を歩くことはできません。橋の上に出るためには、国民宿舎通潤荘・布田神社前に車を置いて歩くと近いです。

霊台橋と異なるのは、人を通すための橋ではなく、水を通すための橋ということです。そのためにより多くの努力と工夫が必要だったと思われます。日本一のアーチを誇る霊台橋の工事に続いて、宇市・丈八(橋本勘五郎)・甚平の三兄弟がこの通潤橋を手がけました。この橋の建造を考えたのは、矢部郷の惣庄屋・布田保之助です。1853年12月、石工、大工そして民衆の総力をあげて着工されました。着工から1年8ヶ月後の1854年7月29日に完成し、待望の水が白糸台地へ流れたのです。

この通潤橋は現在でも白糸台地の約100ヘクタールの水田を潤しています。目の前を流れる川の水を上流で取水し、用水路を掘り、橋を架けて水路を確保するという考えは大胆な発想です。常に民衆の幸せを願った布田保之助が、神としてたたえられるのもうなづけます。遊歩道を進めば五老ヶ滝がありますので、高さ50mの雄大な景色を楽しむことができます。つり橋からも、滝つぼからも見ることができます。