◆ 御船町・八勢小橋 

場所 八勢小橋(やせこばし)の所在地は、熊本県上益城郡御船町上野にあります。八勢というのは地名で、小字(こあざ)名のようです。国道445号線に沿って、御船町へ入ります。御船町の中心地から左折して、県道221号線を進みます。御船町中心街からこの八勢眼鏡橋・八勢水路橋・八勢小橋までは、いくつもの標識がありますので捜しやすいと思います。ただし、案内の標識は「八勢眼鏡橋」となっています。

この橋は八勢眼鏡橋の横にあります。かなり小さな石橋のため、目立ちません。八勢眼鏡橋(1855年)と同じころ造られたのでしょうか。アーチ部分は2m程度になっています。八勢水路橋がすでに造られ、用水路がありました。後に八勢眼鏡橋を架けるとき、この用水路をまたぐために造られたような気もします。御船川本流よりも高い位置を流れる用水路は、稲作作りにとって重要な意味があります。

下流側から撮影した八勢小橋です。この水は、すぐ側に造られている八勢水路橋の上を流れていきます。このように山あり谷ありの地形では、目の前に川があっても田畑を潤すことができません。当時の技術では水を汲み上げる方法がありませんでした。水だけはなだらかに流しながら、多くの田畑を潅水しなければなりません。通潤橋と八勢水路橋は規模の違いはあっても、人々の生活を支えていたことに変わりはありません。

眼鏡橋 川をまたいで イネ実る