◆ 山鹿市・湯町橋 

場所 湯町橋(ゆまちばし)の所在地は、山鹿市杉です。この橋は移転されていて、桜とツツジで有名な日輪寺にあります。熊本市から国道3号線を利用して山鹿市へ入ります。山鹿大橋から3kmほど北上しますと、国道に日輪寺の案内板があります。日輪寺に着きますと広い駐車場があり、その高台に設置されています。

この石橋は文化11年(1814)に架けられた、二連アーチの石橋です。川はありませんので、直接橋の下へ行って輪石を観察することができます。元の橋の長さは17.7m、幅は4.8mの石橋です。昭和55年7月4日付けで、熊本県の重要文化財に指定されています。昭和49年の河川改修に伴い、ここへ移設されました。熊本県教育委員会設置の説明書きを紹介します。

この橋は元来、豊前街道が吉田川を渡る山鹿口に架けられていたもので、昭和49年河川改修に伴いこの地に移設された。元の橋の長さは17.7mであった。アーチの径(スパン)はそれぞれ7.02mと7.1mある。楔石(アーチの頂上の石)に銘文が刻まれており、その銘文から文化11年(1814)に完成した橋で、鍋田村(現山鹿市鍋田)の石工吉兵衛らにより造られた事がわかる。石は鍋田で採れる阿蘇凝灰岩を使用しており、地元の石工が地元の石材を利用して架けた橋であることがわかる。

橋の上は遊歩道になっていますし、桜の時期やツツジの時期はすばらしい景観となることでしょう。この石橋は撮影しやすく、銘文も見上げればはっきり分かります。下の写真が楔石の銘文になります。

日輪寺は、石橋のほかにも見るべきものがたくさんあります。「赤穂十七義士遺髪塔」や菊池武時の息女の墓と伝えられる「素覚尼五輪塔」、そして菊池武時手植えの「ラカン槇」などがあります。いづれも詳しく書かれた案内板が設置してありますので、一度ご覧になってください。

サクラ咲き 歩み留めん 橋の上