▼Ф▼ つなわたりごまを作る ▼Ф▼

今回作成したのは、つなわたりごです。それほど費用もかかりませんので、皆様にもご紹介します。このようなこまを購入すれば、数万円します。自作すれば千円程度で済みますし、児童生徒の前で行うには十分です。遊び方も次回リンクしますので、ぜひとも製作してください。子どもたちに夢を届けましょう。平成17年2月のページ。

1 板を切り出す。

A ホームセンターで、シナベニヤを一枚購入します。縦横30×45cm・厚さ4mmのサイズで、表面は美しい仕上げになっています。この板に、コンパスで正確に四つの円を描きます。こまの本体になる部分です。円の直径は、16cmと14.5cmです。それぞれ2枚ずつ、計4枚になります。このとき、円の中心がはっきりわかるようにしてください。
直径14.5cmの円の中に、9.5cmの同心円もひきます。

B  この4枚を電動のこを使い、ていねいに切り出します。こま作成のポイントは、いかにバランスをとるかということになります。写真はそのときの様子です。怪我をしないように、落ち着いて。

C 直径16cmと14.5cmの4枚の円板ができました。そして、直径14.5cmの円の中にある9.5cmの円をさらに切り出します。

D 作業の第一段階は終わりました。この6枚のサイズは次の通りです。大〜直径16cmの円板2枚。中〜直径14.5cmのドーナツ型円板2枚。小〜直径9.5cmの円板2枚。

2 板を貼りあわせる。

A 大と中の円板を、写真のように木工ボンドで貼ります。大の円板に直径14.5cmの円をひいておくと、中心を合わせやすくなります。乾燥するまでは、しばらく重りを乗せておきます。

B 次の作業は、この2組の板を貼ることになります。板を貼る前に、直径6mmの穴を開けておきましょう。そして、片方に直径6mmのヒノキ棒をさして、一方の板にボンドを塗ります。

C 2組の円板を重ね、どちらにもヒノキ棒を通します。こうすれば中心がずれません。ヒノキ棒は後ではずしますから、ボンドはつけないでください。そして、ボンドが乾かないうちに、円板と棒が垂直になるように調整します。差し金や三角定規を使って、慎重に90度にしてください。再び乾燥させます。

3 心棒を作る。

A 次は、こまの心棒作りです。長さ17センチメートルのヒノキ棒1本と、ボールペンの軸を準備します。

B ボールペンの軸から、金属部分をペンチで抜きます。直径は2mmです。実際は2mmよりもほんの少し大きいようです。中にインクがないことを確認してください。

C こまの心棒に、ドリルを使って2mmの穴をあけます。ドリル刃を何度か出し入れして、ほんの少しだけ大きくします。

D 棒にボールペンの金属部分を取り付けた状態です。穴が小さいと、棒が割れる恐れがあります。ヒノキ棒の角をナイフで削ります。

注釈 〜@ ボールペンの取り付けが面倒な方は、省略しても結構です。その場合、ヒノキ棒の先を尖らせてください。A ヒノキ棒の代わりに、竹のはし(菜ばし)を利用する方法があります。竹は木よりも強いのですが、熱のために曲がる性質があります。

4 心棒を取り付ける。

A こま本体に心棒を取り付ける前に、写真のようにナイフで溝をほります。数ミリの深さでよく、あまり細くすると折れる場合があります。サンドペーパーで磨いて、きれいに仕上げます。

B さて、いよいよこま本体に心棒をボンドで接着します。心棒の長さは、こまの下に約5cm程度です。このとき、残り2枚の板も上下に貼ります。この2枚は、心棒の補強になります。

C 先ほどと同じように、こまと心棒が垂直になるよう調整します。いくつもの方向から定規を当てて、直角を確認します。確認できたら、重りを乗せて乾燥させます。

5 こまに重りをつける。

A いよいよこまの完成が近づきました。釣具店に行き、板鉛を購入します。写真の袋を紹介します。厚さ0.4mm、幅16mm、長さ30cmの鉛が2枚入っています。1枚の重さは、20gです。1袋40gですから、5〜6個購入すればよいでしょう。一個110円でした。

B この鉛を袋から出して、鉛筆などでしごいて、まっすぐにします。次に、幅16mmですから、はさみで幅8mmに切ります。柔らかい金属ですから、心配いりません。

C 写真は、こまを側面から見た図です。凹の形になっていて、内側は幅8mmです。先ほどの鉛の幅と、ちょうど一致します。

D こまの溝に鉛を貼るわけですが、滑りますので両面テープを利用してください。最初の巻き始めの場所には、必ず鉛筆で印を入れておきます。さて、何枚貼ればよいかということですが、私の場合はこま全体の重さが280gにしています。鉛の最後は、先ほどの巻き始めと一致させます。これ以上重くなると、操作が難しくなるからです。

E 余った鉛を利用して、1cmと2cmほどの長さを準備します。これは、バランス調整のためのものです。写真のように何度も回転させ、こまと心棒のブレをなくします。こまは眠ったように回転するのが理想ですが、なかなか理想通りにはいかないものです。しかし、ある程度のこまであれば、綱はわたります。

完成  完成したこまは、このままでは手あかで汚れます。絵の具で彩色すれば、本物みたいになります。私はトールペイント用の絵の具を利用しました。最後にニスを塗って仕上げます。板鉛が見えないようにしたいならば、色画用紙を貼ってもよいでしょう。