A 並べかえて正方形 

平成17年12月24日(土)と25日(日)に、熊本県民交流館パレアにおいて、「算数・数学おもしろランド」(数学の祭典)を実施しました。その内容をご紹介します。

今回は、並べかえて正方形を作る教具です。パズルの本を参考に、10種類の形を作成しました。いづれも人気があり、子どもから大人まで熱中していました。材料は、15mm厚のラワン板です。糸鋸で切断し、ベルトサンダーでみがき、最後はサンドペーパーで仕上げました。幼い子どもがけがをしないように、それなりに気をつかったつもりです。ケースのサイズは大半は縦横30cmにしました。重ねたとき傷が付かないように、木枠が教具よりも高くなっています。

 

2−1 並べかえて正方形・金魚の形

最も簡単な教具になります。3個の木片を並べかえるだけのことですが、曲線で構成されたものが正方形になる面白さがあります。金魚の目は、釘を利用しました。布を押さえるタイプの釘で、ホームセンターにあります。
出典 平凡社 「Play Puzzle」 高木茂男

2−2 並べかえて正方形・五角形

五角形を二本の直線で分割したものです。五角形の構成は、正方形と底辺を同じ長さとした直角二等辺三角形です。切断した二本の直線は、直角で交わっています。小さな木片二枚を上に移動させることで、正方形とすることができます。
出典 社会思想社 「遊びの数学」 ペレマリン著 藤川健治訳

2−3 並べかえて正方形・正八角形

正八角形を作図して、風車のように切断します。この四本の線は、辺の中点同士を結んだものではありません。中点と中点を結ぶと、中にある正方形が小さくなります。一度失敗したのです。参考にした図書には、作図方法が記されていません。一方の端は中点ですが、他方は中点よりも上にあります。最初は、厚紙で作図練習をすればよいかと思います。
出典 NHK 「秋山仁の中学生おもしろ数学」 テレビ放送のテキスト・出演 秋山仁

2−4 並べかえて正方形・二つの正方形

最初の図は、同型の直角三角形五枚になっていました。問題は一枚だけハサミで切るように指示してありましたが、木製のために切断した形で提示しました。この方法は、三平方の定理証明に利用できます。
出典 社会思想社 「遊びの数学」 ペレマリン著 藤川健治訳
出典 NHK 「秋山仁の中学生おもしろ数学」 テレビ放送のテキスト・出演 秋山仁

2−5 並べかえて正方形・十字形

この形は、ギリシア十字というのだそうです。この形を利用して、パズルになっているものもあります。二本の直線は中点同士を結んだもので、交点は直交しています。この四ヶ所の直角が、並べかえて正方形にしたときの角になります。
出典 NHK 「秋山仁の中学生おもしろ数学」 テレビ放送のテキスト・出演 秋山仁

2−6 並べかえて正方形・正三角形

参考図書によると、イギリスのパズル研究家デュードニーの作品ということです。これを中村義作氏が、はとめ返しの作品にしました。はとめ返しは紙で作ることになりますが、私はそのまま木製にしました。4個の木片を移動させ、正方形にします。
出典 平凡社 「Play Puzzle パート2」 高木茂男

2−7 並べかえて正方形・一小刀問題

江戸時代の本に載っているとか。正方形を作図して、その九分の一を除いた形になっています。この木片3個を並べかえて、正方形にするパズルです。一小刀というのは、一回はさみかナイフで切るだけで、この形になるというものです。
出典 平凡社 「Play Puzzle」 高木茂男

2−8 並べかえて正方形・正六角形

この切り継ぎパズルは、オーストラリアのハリー・リンドグレンの考案です。正六角形を形作る木片5個から、正方形を作ります。
出典 NHK 「秋山仁の中学生おもしろ数学」 テレビ放送のテキスト・出演 秋山仁
出典 平凡社 「Play Puzzle」 高木茂男

2−9 並べかえて正方形・長方形

二種類作りました。原型は、同じものです。それは、下の写真のように6分割しなくても、上の4分割でも正方形とすることができるからです。作図方法は、参考図書に詳しく載っています。同じ大きさの正方形3枚を、横一列に並べて作図します。
出典 NHK 「秋山仁の中学生おもしろ数学」 テレビ放送のテキスト・出演 秋山仁

2−10 並べかえて三角形・星型六角形

さて、この星型六角形だけは、正方形を作るものではありません。正三角形にしなければなりません。切断方法として、別の図が紹介してあります。その形は、左右対称形になっています。
出典 平凡社 「Play Puzzle パート2」 高木茂男

この正方形に並べかえる教具は、もっと増やすことができそうです。レベルとしては、小学生が楽しめるものにしたいものです。「算数・数学おもしろランド」を何度もすれば、答えを覚える児童生徒が出てくるからです。