教材の改訂をする 

このたび、新しい教材を作成しました。もちろん「算数・数学おもしろランド」の教材です。平成17年10月から三ヶ月かけて作成した教材も、使用しているうちに苦労することが多かったと感じています。そこで、平成19年8月上旬から二ヶ月かけて、新しいパズル教材を作成しました。

1 教材を改訂した理由

とにかく準備が大変でした。おもしろランドの企画をしたあと、搬入・準備・展示・撤去・保管の各段階で、大きな労力が必要でした。一人ですることは不可能に近く、いつも企画委員の先生に頼らざるを得ない状況でした。休日の開催が多く、いつも4人の先生が協力してくれましたが、ボランティアで報酬なしの活動です。
そこで考えたのが、搬入・準備・展示・撤去・保管の各段階がもっと簡単にならないかということです。簡単になれば、もっと学校で活用してくれると考えました。

これまでの様子        

2 改訂の内容

まず乗用車に乗るサイズにしました。これまでは移動させる場合、私の軽トラックが多かったのです。教材のサイズが縦横30cmもあり、収納するミカンコンテナ11個になりました。これでは乗用車に乗りません。最初の変更点は、教材のサイズです。
次は収納の問題です。これまでは教材を項目ごとにしたため、コンテナに番号を記入して、項目ごとに収納しました。収納を早くするためには、項目がないほうがいいようです。

時間がかかったのが、搬入展示です。大きいことと、項目別であることで気をつかいました。会場によっては、展示の数を減らしました。さらに問題文をスタンドで立てなければなりませんので、これも時間がかかります。教材と問題文をそろえる作業もありました。

撤去も一苦労です。展示したときと同じように収納しなければなりません。整理してコンテナに入れるまで、1時間ほどかかりました。教材の保管は、京陵中の倉庫です。これも一人では苦労しますから、企画委員の先生に協力して運んでもらいました。教材が大きいことと項目別にしたことで、何かと苦労が多かったのです。

 

3 具体的に工夫したこと

すべての教材を、同じサイズの箱に入れることにしました。箱のサイズは、B5としました。縦256mm横183mmの箱は、底板にベニヤ板を使い、枠はヒノキ棒です。タタミ1枚のベニヤ板から35枚の板を切り出し、箱も自作しました。同一規格品としたので、一度にたくさん作ることができるようになりました。教材の大きさは、箱に収まるように縮小しました。小さくはなりましたが、子どもが扱うには十分です。使用したヒノキ棒は、切り口が9×15mmで長さ1.8mのものです。釘は使用せず、木工ボンドでの接着です。

    

また同じサイズの箱ですから、大きなケースにきちんと収めることができました。そのケースも9ミリ厚のコンパネで作りました。ケースの数は4個です。必要に応じてコンテナを使用することにしました。

    

前回の教材を元にして、新しい教材を作成しました。前回作成したのは120個としましたが、数個は同じものでした。そこで、図書を再度確認して、新しい教具を増やしました。その数は、150個になりました。またトールペイントの技術を生かし、十数個に着色しました。

これまで問題文はラミネート加工をして、木製スタンドに立てていました。見栄えはいいのですが、準備と整理に手間取りました。そこで、問題文は台紙に書きました。台紙は画用紙で作成し、通し番号とパズル名と問題文を記入しました。箱に入れるため、上下左右を1cmずつ切り落としています。
さらに、台紙の下に教材の解答を入れました。どうしても解けない場合、子どもはすぐに見ることができます。

   箱と教材・台紙・解答

今回の作業では、百円ショップの製品も利用しました。木球はビー玉に変更し、エキシポ系接着剤でつなぎました。円板、正方形の板、立方体も百円ショップの製品です。カラーシールも使いました。箱の高さが15mmですから、それより低くなるように工夫しました。

   百円ショップの製品

準備のとき、あるいは移動のとき、教材がバラバラになります。それを防ぐために、台紙に木枠を貼りました。長方形などは四方を囲むのでなく、底辺と左側だけに木枠(2mm厚のヒノキ棒)を取り付けました。操作することを考えると、そのほうが都合がいいようです。さらに大人でも難しいと思った教材は、解答を得やすいように数個を貼り付けています。

   木の枠を取り付け

教材が小さくなった分だけ、展示が寂しく感じます。そこで、展示用の工作もしました。最初に作成したのは、金太郎人形です。次にひな人形も作りました。木球はビー玉と交換したので、木球に色を付けました。教材を解くヒントになります。

      

 

4 工作の様子

最初は30個ほど作って、企画委員の先生方にプレゼントする予定でした。ところが作成しているうちに欲が出て、全部を作ってしまおうと考えてしまいました。8月上旬のことです。それからは生活時間のほとんどを工作に充てました。工作の場所は、学校と自宅です。下2枚の写真は、校長室の様子です。部屋に糸のこをセットして、次から次と図案を転写した板を切りました。新しい糸のこは、大変重くて安定していますし、ふところが広いので作業も楽でした。

    

9月10月には三連休が数回続きましたが、自宅の駐車場にも糸のこを置いたままにして、作業を継続しました。軽トラックを傍に停めておくと、作業台にもなりました。愛犬チェリーは私がいるので喜び、貰った木くずを歯で噛み砕いていたのです。駐車場では板の切断とペーパーでの磨き作業です。一方シールを貼ったり、台紙作成は和室での作業です。いつも部屋は散らかり、足の踏み場もないくらいでした。時間がかかりましたが、好きな工作ですから苦にはなりません。

      

苦労話と自慢話になってしまいました。ではどのようなパズル教材ができたのかを、次回からのページでご紹介します。