進化する「取れない矢」 

平成21年8月のささやかな楽しみです。

皆さん、「取れない矢」というのをご存知ですか。私が名付け親ですから、誰も知りません。木の性質を利用して、物理的には不可能な穴に矢(木製)を通すものです。初めて見た人は不思議がり、やがてその方法を尋ねます。

駐車場で、矢を切っています。幅が15mmですから、ていねいに切ります。近所迷惑にならないよう、7時になるのを待って糸のこを使います。

これが切り出した矢の形です。長さは8〜13cmといろいろあります。目的によって、長さを変えています。

「取れない矢」は、一年前から作っています。ハート形の木に通していましたが、切って磨くのに時間がかかります。そこで、百円ショップで長さ20cmの木材を利用することにしました。中は直径15mmでくり抜いてあります。れを1.5〜2cmで切ります。これも、「取れない矢」のパーツになります。

木製の筒は、1.5〜2cmです。これはのこぎりで切って、サンドペーパーで磨きます。これで、取れない矢のパーツが揃いました。 ある特別な方法で、筒の穴に矢を通します。道具が必要ですし、ある程度の時間が必要です。キーホルダーの金具を付けて、「取れない矢」の完成です。

これを発展させることを考えました。それは、ペットボトルを利用するものです。ペプシコーラのペットボトルやウーロン茶のペットボトルを利用しています。矢の形はそのままで、ボトルに合わせて少し長くしました。キーホルダー同様に、細工した木製の矢が通りました。横二ヶ所の穴は、横1.5cm縦1cmとしました。
ペットボトルの横に、2ヶ所の穴を開けなければなりません。熱で溶ける性質を利用して、ボトル専用の電機ごてを使用します。なければ、カッターナイフの刃をライターで焼いて開けることもできます。

左の写真は、最初に試作したペットボトルの「取れない矢」です。これだけでは物足りません。おもしろくするためには、もう一工夫必要です。
右の写真は、穴あけ用の道具です。切り口はカッターナイフで開けた方がきれいですが、何度も焼かなければなりません。

ペットボトルの工作も少しずつ進化しました。いろいろ調べていくと、ペットボトルの口の内径は、21mmということに気付きました。口の穴を利用して、ここに取れない矢を入れたらと考えました。そこで、別の矢を通すことを考え、ハートの形にしました。ボトルの口を通す下のハートは、幅を25mmとしました。

このボトルは、小さくて厚みがあります。穴2つをあけるのに苦労しました。しかし、取れない矢を2つ組合わせたので、見かけもよくなりました。

工作をするペットボトルは、やはり500ミリリットルのボトルが一番適しているようです。さらに進化させました。ハートの形を手のひらの形で作りましたが、これは切り出すのに時間がかかりました。ボトルを貫通した矢には、ハートや筒も通しました。これならどのようにして通したのだろうと、子どもも大人も悩むはずです。

左の四つを利用した「取れない矢」です。細工をした後は、矢もハートも取れません。もちろんボトルの口から入れた手のひらも取れません。

この「取れない矢」を作ったあと、ペットボトルの中に一円玉を入れることにしました。しばらくしてお金はよくないと思い、ビー玉を入れました。細工をする前にビー玉を入れ、そしてハートを通しました。これでビー玉は取れなくなります。一円玉がヒントになり、貯金箱になるようにしたものもあります。倉庫におはじきがありましたから、ビー玉と一緒にボトルに入れて重りにしました。

すでに10個ほど完成し、自宅で出番を待っています。小学校の廊下に展示して欲しいと考えていますから、欲しい方はご連絡ください。平成21年8月24日現在、熊本市教育センター・城山小学校・池上小学校・西山中学校・三和中学校にプレゼントしました。
このページを入力しながら、ペプシコーラを飲んでいます。先日、池上小学校のH先生から電話があり、作り方を教えて欲しいと頼まれました。しかし、意地の悪い私は、教えなかったのです。もっと悩んで欲しいのです。