★★  進級テストの紹介  ★★

1 三年間の数式指導

(1) 生徒の計算力を高めるために、私たちは日々努力しなければなりません。計算の技能は数と式領域ですが、関数・図形・確率・統計においても計算力は必要です。指導方法の一つとして、進級テストがあります。
(2) 計算内容は小学校の四則計算から、中学校3年生の二次方程式までとします。指導内容を分析し、28項目に分類してあります。その項目を学年に対応できるように、25問の問題を設定します。

2 進級テストの実施方法

(1) どの学年であっても、25問25点とします。テストの時間は25分程度としますが、3年生であれば10分程度で終わります。実施時期は教師側で判断し、練習問題等を配布するのも一つの方法です。
(2) 採点は原則として、指導者で行います。問題数が少ないので、30分程度で終わります。この後、テスト結果を誤答分析表に集計し、指導のための資料とします。
(3) 1年生の出題範囲は、01級(計算法則)から16級(1次方程式)までとします。16項目ですから、一つの項目から2問出題する場合もあります。
(4) 2年生の出題範囲は、01級(計算法則)から23級(連立方程式)までとします。23項目ですから、三学期には広範囲から出題できます。ただし、現在の指導要領には、不等式はありません。四月当初は1年生範囲で出題し、実態調査を実施すればよいでしょう。
(5) 3年生の出題範囲は、01級(計算法則)から28級(2次方程式)までとします。現行指導要領には不等式はありませんので、実際は26項目となります。

3 進級テストの項目一覧

項    目 学 年 項    目 学 年
01級 計算法則 小学校 15級 式の加減 第1学年
02級 分数の性質 小学校 16級 1次方程式 第1学年
03級 分数の加減 小学校 17級 単項式の乗除 第2学年
04級 分数の乗除 小学校 18級 多項式と単項式の乗除 第2学年
05級 少数の四則 小学校 19級 多項式の四則 第2学年
06級 有理数の四則 小学校 20級 式の変形 第2学年
07級 正負数の加減 第1学年 21級 1次不等式 第2学年
08級 正負数の乗除 第1学年 22級 連立不等式 第2学年
09級 正負数の四則 第1学年 23級 連立方程式 第2学年
10級 正負数・有理数の四則 第1学年 24級 根号を含む式の乗除 第3学年
11級 文字式のきまり 第1学年 25級 根号を含む式の加減 第3学年
12級 式の値 第1学年 26級 多項式の乗法 第3学年
13級 同類項の和 第1学年 27級 因数分解 第3学年
14級 式と数の積 第1学年 28級 2次方程式 第3学年

3 進級テストの例 〜 3年生3学期

3 誤答分析表の作成

(1) 例えば、25問の計算テストを実施したとします。テスト結果を集計したものを、誤答分析表と呼んでいます。有名なものにSP表がありますが、これは○×による記録を残すものです。誤答分析表は正答○は記入せず、誤答そのものを記録する方法です。無答は、ーとします。
(2) B4の用紙に罫線を引き、横軸に問題を書き、縦軸に生徒を書きます。生徒の順番は得点順として、すべての生徒(40人)に対応しています。記録をとるのに時間がかかる場合もありますが、25問の計算テストなら1時間で可能です。
(3) 記録が○×よりも優れているのは、誤答傾向がつかめるということです。中位グループや下位グループに、必ず同じ誤答が表れます。アルゴリズムの定着の度合い、生徒の勘違い、計算法則適用のミス、そして指導のミスも発見できます。
(4) ある程度数学教師としての経験を積めば、感覚的に生徒の誤答をつかむことはできます。それは採点しているときに、多くの教師が感じています。しかし、それだけでは指導力の向上を図ることはできません。
(5) すべてのテストに対して、誤答分析表を残すことは不可能です。同じ学年で数クラスを指導する場合、モデルの学級を一つ設定して、記録を残せばよいでしょう。熊本市中学校数学研究会では、研究集録に毎年誤答分析表を掲載しています。この誤答分析表を考案した方は、森本則弘先生です。昭和50年代のことです。