一に雨、二に大砲、三に赤帽

田原坂の戦いは大半は冷たい雨の降り続く中で行われました。「我々薩摩隼人は天下無敵じゃが、一に雨、二に大砲、三に赤帽は苦手じゃ」


赤帽とは白兵戦に強かった近衛兵、大砲は炸裂弾の大砲。そして最も恐れたのが雨でした。雨が降ると、薩摩兵の木綿の着物は水を吸い動きがとれず、わらじは雨と泥の中でプツプツと切れ、先込めのエンピール銃は、粉の火薬が水を吸って不発になってしまうのです。

これに対して、官軍は、水に強いラシャの軍服、革の軍靴、雨の中でも発射できる元込めのスナイドル銃を使用していたのです。雨の田原坂、戦況は官軍に有利に展開していったのです。