豊岡の眼鏡橋

県道鈴麦線と国道208号線が交わる場所に、この豊岡の眼鏡橋があります。熊本県で最も古い石橋であり、年号は亨和2年(1802)となっています。熊本県で有名な霊台橋や通潤橋よりも古い橋です。

この石造り眼鏡橋は、両脚の幅は11.2m、高さは4m40cmあります。輪石の厚みは45cmで、輪石と輪石はくさび石で継いだ単一アーチ橋になります。年号のはっきりしている石造り眼鏡橋では、熊本県で最も古い橋ということになります。(現地の説明書きより)

 

「西南戦争では、田原坂攻撃の最前線拠点がこの眼鏡橋であった。橋のたもとの窪地には、早朝、息をころして突撃の合図を待つ兵士が銃をにぎりしめて待機していた。また、食料の握り飯を入れた包みがここに運ばれ、配布された。傷ついた兵士が眼鏡橋を目標に丘を下り、死体が橋のたもとまで運ばれてきたりした。兵士のほか、大砲がこの橋を通って、昇り降りした。」 (勇 知之氏「志に生きた男たちの足跡」より)