薩軍本陣跡

熊本市川尻地区に、薩軍本陣跡が残っています。旧3号線から旧飽託郡へ通じる道路沿いです。ここで西郷隆盛は宿泊し、戦争の指揮をとりました。写真は、その当時の建物です。

明治10年2月15日大雪の中、大軍を率いて鹿児島を出発した薩軍は、2月20日に先鋒隊が川尻に到着し、次の日の21日には西郷隆盛も到着しました。西郷隆盛はこの本陣に「新政大総督 征伐大元帥西郷吉之介」の表札を掲げ、熊本城攻撃のための作戦会議を重ねました。

 

この川尻地区は、江戸時代に大変発達した町であり、当時の面影を数多く残しています。加勢川を利用した水上交通の拠点であり、近隣の町から多くの物資が運ばれました。肥後藩の蔵もあり、幕府の奉行所も置かれていたところです。写真は江戸時代に使われた「川尻お倉の船着場」です。13段の石垣が190mの長さに及んでいます。鉄道の発展とともに物資の輸送は陸上運輸になり、明治以降は使われなくなりました。