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渡米1回目
日本でのソロフライトを無事に終えた私は、ライセンスを取得すべく米国のフライトスクールに行くことを決心したのでした。場所は、ロサンゼルス郊外にあるスーパーソニックアビエーションフライトスクール。米国のフライトスクールを選んだ理由は何と言っても、ライセンス取得までの費用と時間です。
米国でのライセンス取得費用は、日本の1/5から1/10で済みます。但し、色々な違いがあるので、米国がいいとか日本がいいとか一概には言えませんが・・・(詳しいことを知りたい方はこちらをご覧下さい)。私は米国留学を選んだということです。
では、悪戦苦闘の日々をお楽しみください。未来のパイロットのご参考になれば幸いです。
 2000年9月 [初日]
 関西空港発JAL60便に乗り込んだ。出張でためこんだマイレージを使ってちゃっかりとCクラスでの出発だ。ところが、いきなりトラブル発生。機内のオーディオシステムが故障してつかえない。しかし幸いな事に一部エリアのみで、席を移動して問題解決。この日は空席が多くて助かった!でも幸先悪いぞ!いやな予感。
普段お酒が飲めない私。この日は少しだけお酒を飲んで食事後すぐに就寝。こんなときにはお酒が弱いのも役に立つ。目覚めたら朝食の時間。10時間のフライトはあっという間だった。やっぱCクラスのシートは寝心地がいいぞ。
 LAXに到着すると教官がお迎え。挨拶をする。今回の担当教官はA教官。なんと、この学校の卒業生だった。なんとも心強い。約1時間30分のドライブ。ひたすら東に向かいスクールに到着。スクールは、サンバナディーノ国際空港。3000mの滑走路を持つ立派な空港だ。もと米軍の基地だったところだが基地が無くなり、今は民間の空港になっている。しかもこんなにデカイのにノンタワーの空港だ。この日は疲れもあり、スクールの見学と先輩の生徒さんたちにご挨拶して宿舎へ。
 宿舎は一般のアパートをスクールが借り上げてそこで共同生活。みんなでわいわいやりながら食事を作り楽しい。さあ明日からは訓練だ。
 [2日目]
 6時起床。7時にはスクールへ。事業用のライセンス取得を目指す先輩たちが、気象のブリーフィングを行なう。気象やノータムなどをチェックしていよいよトレーニング開始。練習機は、C-152だ。国内では低翼のFA-200に乗っていたので、高翼のC-152に不安を覚える。スロットルも形状が異なる。大丈夫だろうか?
 教官と一緒にチェックリストを確認しながらエンジンスタート。日本で習った手法と若干違いがあるが何とかクリア。ノンタワー空港とタワー空港では、ATCも異なるので、今日はATCは教官にお願いする。そろそろと地上滑走を開始。この辺は馴れたものだ。滑走路端のランナップエリアでBefor T/O C'K エンジン・計器ともに順調だ。いよいよ離陸だ。滑走路に進入してストップしようとすると、停止せずにそのままローリングテイクオフが指示される。米国ではこれが標準らしい。教官に尋ねると、トラフィックが多いからなるべく時間をかけないようにするとのこと。なるほど、飛行機大国アメリカと妙に納得してしまった。
 いよいよ離陸。離陸後のプロシジャーの忙しさはFAと変わらないが、ここではそれに加えてATCが必要。ノンタワー空港のため、自分のポジションをどんどんセルフアナウンスしなければならないのだ。今日は教官がやってくれているから良いが、手足に加えて口も入ってくるので煩雑この上ない。こなせるかどうかちょっと不安になった。
 空港を離れ、訓練空域へ。ターン、クライム、ディセントなど一通りの訓練を行なった。日本での訓練の成果が出て、OKを貰った。次回はT.G.Lの訓練とのこと。よし、順調順調。
 [3日目]
 今日はメディカルチェックを受ける日。スクールからとなり町のリバーサイドにある航空身体検査医のいる病院へ移動。とっても綺麗な病院だ。呼ばれて検査室に入るととっても美人の女医さんが!ラッキー。身長、体重、視力検査などを終え内科検診へ。そこにはすごいおじーちゃん先生が。英語でなにやらボソボソと話しているが、うまく聞き取れない。何度か聞きなおして何とかコミュニケーションは成立していたが・・・もっと大声で話してくれー!そうこうしているうちに、先生がにっこり笑って手を差し出した。”Congratulations!”じーちゃん先生OKを出してくれた。合格するとは分かっていても、合格ってやっぱり嬉しいもんだ。この日一緒に受けた2人も無事合格。オメデトウ。
 [4日目]
 今日は2回目の訓練日。教官と何度かT.G.Lの練習を行なうが、FAと比べて着陸時のフレアをかけるタイミングがずいぶんと違うように感じた。操縦桿引き上げの高度と速さがかなり違う。どうしても早くフレアをかけすぎて最後はドスンとヘタッピな着陸。うーん時間かかりそう。
 [5日目]
 だんだんとフレアのタイミングが分かってきた。ATCも大丈夫。あとは、最後の最後に集中する事だなと思っていた矢先。教官から、「午後のフライトでC'KしてOKだったらソロ行きましょう」とのお言葉。よっしゃ!
 午後のC'Kでは、緊張していたのかうまく接地できない。何度かトライした後、やっと「じゃソロ行きましょう」との許可が出る。意気揚揚とソロフライトを慣行。やっぱり、日本での初ソロの方が感動したな!降りてきたら、周りの生徒さんから祝福のお言葉を頂いた。水かけの儀式はこちらでもあるようだが、日本で洗礼を受けてきているのでと丁重にお断り。周りは残念そう。おいおい何を楽しみにしてるのやら?
 [6日目]
 今回の訓練最終日。教官とデュアルでクロスカントリーの訓練。サンバナディーノの東にあるサーマルという空港まで約1時間のフライトだ。途中、バニングパスという谷をすり抜け、ゴルフで有名なパームスプリングスを通過するというコースだ。バニングパスは、映画「風の谷のナウシカ」のモデルになった場所だそうだ。
 前日作成しておいたフライトログに、今朝取った気象情報を記入し、ウィンドコレクションアングルと、チェックポイントまでの到達予定時刻をはじき出す。教官のC'Kを受けいよいよフライトへ。バニングパスではちょっと揺れたが、たいした事も無く無事通過。パームスプリングスは、アメリカのお金持ちが集まるリゾート地だそうで、上から見るとゴルフ上の中に町があるといった方が良いくらい沢山のゴルフ上が見えた。
 無事目的地のサーマル空港へ到着。降りてみてビックリ。ここもリゾート地なのだが、ビジネスジェットが何機も泊っている。休憩しているとまた1機下りてきた。空港サービスのお兄ちゃんがいそいそと近づいて行き、ドアの下に真っ赤な絨毯を。そしてその横にはリムジンが到着。ゴルフウェアを着たおっちゃん(実は大金持ち)がお供を引き連れリムジンに乗りこんでさっそうと消えていった。はーあんな身分になりてー。
 帰りも楽勝と思いきや、バニングパスで揺れた揺れた。午後になると、強風が吹き、時々このようになるそうだ。15分間生きた心地がしなかったが無事到着。


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