たかたがあるく第4回
「国立天文台 一般公開と焼きジャガの夕べ」

内をぐるりと見て回って、本館のほうに戻ってきたときは、もう薄暗くなっていました。屋内の展示物も大盛況でした。銀河系星間ガスの塗り絵子供が細長い帯状の紙になにか一生懸命、塗り絵をしているのを見て、担当の人に、「天の川ですか?」と聞くと「銀河の星間ガスの分布です」という答えが返ってきました。なんてスケールの大きい塗り絵!!
 理論天文学研究の前では、星の写真も多かったのですが、パソコンのディスプレイがずらり並べてあって、天体のシュミレーションのデモをやっていました。また、パオネットの実演もありました。
 そんなのをみていたところで、渡部潤一先生に見つかってしまいました。
 「まるで学園祭みたいで盛況ですね。」と言うと、
 「今年からだよ、こんなになったのは。去年までこんなではなかったのだがネ。」
と笑ってはいましたが、どこか寂しそうでした。
 再び、外へ出ました。どこが部署がやっているのか屋台が3軒並んでいていい匂いがたちこめていました。
ききジャガが200円。歩き回ってお腹がすいていたので、これを1個買いました。アルミの上から新聞紙に包んでくれて渡されました。中は、バターでしとどに包みこまれて、うまい。
 玄関前のいすに腰掛けて食べていると、目の前を走り回っている男の子と女の子の兄弟が、わずかに顔をだす月を指さしながら、
 
「おつきさん、みようとするとかくれちゃうよ!!」
と父親にさけんでいました。おそらく、どこかの望遠鏡で月を見てきていたのでしょう。
 あの手この手で、天文台をアピールした一般公開日だったのですが、子供たちにこういった言葉を言ってもらったことで目的とすることは十分果たせたのではないか、そう思いました。
りに焼きジャガの前を通ると、バターが無くなって、塩味の焼きジャガに変えているところでした。値段は、50円さがって150円になっていました。
 もうすっかり曇ってしまって、天文台を後にするころには、わずかに雨が降りはじめていました。

終わり


→国立天文台のホームページ
→国立天文台・三鷹キャンパス一般公開について
1998年の公開は10月24日(土)です。

本文に出てきた日本一かっこいい天文学者、
→渡部潤一先生のホームページ


→「高田があるく」に戻る
→トップに戻る