Gustavo "Guga" Kuerten/ぐがのみち
2001 Vol-2
今季のATP初戦となるブエノスアイレスは、見事に優勝!!
2001年シーズンも、ようやく動きだした。
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コパ AT&T(ブエノスアイレス)
Feb19〜Feb25
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1回戦の相手は、リチャード・フロンバーグ(オーストラリア)に決定。予選に回っていた
デ杯の同僚・メリジェニとシモーニも無事に本選入りを決めた。(...と思っていたら、
シモーニの方は、もう1試合残っていたのであった。結局、ヒップフルに破れて予選落ちと
なりました。訂正します!)
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シングルスに先立ち、19日(月)には、ドナルド・ジョンソン(USA)と組むダブルスに
登場する予定。これは、昨シーズンのマスターズ・シングルスチャンピオンとダブルスチャンピオンの
合体ペアである。普段はあまり注目されないダブルスだが、ナイトセッションに組みこまれ、
TV生中継まであるらしい。みたいなあ〜
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ナイトセッションというより、イブニングセッションで行われたダブルス初戦の対プエンテス/
ベラスコ(スペイン)戦は、7−6(7-5)・6−4で競り勝ち、2回戦へ。ダブルスの勝利は
4ヶ月ぶりかな??
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ダブルスの方は、残念ながら3−6・4−6で2回戦敗退。シングルス2回戦は、またもや
21時開始のナイトセッションで生中継あり。日本だと考えられない試合開始時間だが、
宵っ張りのブエノスアイレスっ子にとっては、ウィークデイの楽しい夜の過ごし方なのかも。
「”世界No1”なんだから、誰もが観たくなるのは当然だろう?!」と語るのは、今大会の
デイレクターであるマーティン・ヤイテ。私、結構お気に入りだったんだよなあ、この人。
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準決勝の対フェルナンド・ビセンテ(スペイン)戦を、4−6・6−2・6−2で勝ちぬき、
決勝戦へ!「またしても大変な戦いだったけれど、ビセンテ相手のゲームはいつも難しいよ。
今日の勝利は、勝つ!という闘志のたまものだ。」
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優勝!予選を勝ちあがった地元アルゼンチンの18歳、ホセ・アカスーソと対戦した決勝戦は、
貫禄をみせつけて、6−1・6−3で今季初優勝を飾った。「僕が大本命だといわれていた
けれど、とてもタフなトーナメントになると思っていた。タイトルを獲得して、ランキング
1位に返り咲くなんて素晴らしいね。」そして、相手のアカスーソについては、「始めての
決勝戦ということで、ホセはナーバスになっていたけれど、彼にとっては素晴らしい1週間
だったね。祝福するよ。」
お休みにならないお休み
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デ杯・モロッコ戦の後は、フロリアノポリスの自宅で1日休養、BancoDoBrazilのCM撮影、
そして15日(木)からトレーニングを再開したと思ったら、デ杯・オーストラリア戦の
開催地をめぐる”ロビー活動”にも担ぎだされて、相変わらずの大忙し。
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ひとりの有力選手が登場すると、同じ国から同世代の選手が続々と登場することがある。
スウェーデン、フランス、スペイン、そして最近ではアルゼンチン。'97年のローランギャロスで
クエルテンが登場したことで、ブラジルもそのひとつとなると思われていたのだが、フランス等と
決定的に違うのは、国や連盟がリードする育成機関が存在しないこと。つまり、オーシンス、
メリジェニ、クエルテンらの場合は、それぞれの選手とコーチの”個人的な努力”で這い上がって
きたのであり、今後も、有望選手が団塊となって登場することはないだろうといわれる。
それでも、クエルテンの'97年ローランギャロス優勝がもたらした影響は大きい。先週のモロッコ戦で
デ杯デビューを果たしたアレクサンドル・シモーニによると、「'97年のグガのローランギャロス
優勝は、将来をテニスに
賭けるのかどうかの岐路に立っていた者にとっては、大きな力となった。よし、賭けるんだ!ってね。
その世代が頭角を現し始めているんだ。」
そのシモーニと同世代となるフラビオ・サレッタにとって、グガは到達すべき目標であり、”Idolo”
であるという。しかし、ここで、ベテランのフェルナンド・メリジェニが血気盛んな彼らに与える
アドバイスは、”冷静に!”である。「それぞれの選手には、それぞれの”限界点”というものがある。
僕の場合、そこに到達したのかどうかはわからないけどね。僕らとグガとの差は大きいよ。比べちゃ
いけないんだ。」「グガは”特別(=um fenomeno)”なんだ。そんな存在が次々とブラジルに誕生
するはずがない。」
一見すると意気揚揚の若手選手に水を差すようなメリジェニの発言だが、彼の
真意は、”次のグガとなるべく自分にプレッシャーをかけ過ぎるな”ということである。
そして、グガに続く選手を熱望する自国マスコミに対する警告でもあるのだろう。「シモーニと
サレッタは結果を出し始めているよ。でも、常にそれを期待してプレッシャーを与えてはいけない。
彼らには、彼らだけの能力があるし、ちゃんと日々進歩しているよ。」
デビスカップ・ワールドグループ1回戦 対モロッコ
Feb9〜Feb11
第3日目 第3・第4シングルス
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結果が決まった後の第3日目は、両チーム共にリザーブ選手を試す好機となる。クエルテン対ムニール・
エルアレイ戦は、6−2・6−2でグガがあっさりと決める。翌々週のブエノスアイレスに本調子で
臨むためには、もっと実力が拮抗した相手とやりたかったところだが。
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前日のダブルスに続きシングルス初登場となったシモーニは、残念ながら、アラミを相手に4−6・
6−0・3−6で破れ、デ杯シングルスの初白星はおあずけとなった。
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準々決勝の相手は、エクアドルを破ったオーストラリアに決定。昨年はブリスベーンのグラスコートで
完敗だったが、今年はブラジルのホームゲームとなる。開催地はリオかフロリアノポリスになる模様。
第2日目 ダブルス
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オーシンス/シモーニ組が6−3・6−3・6−3で初陣を飾り、ブラジルの準々決勝進出が決定!
デ杯初出場で殊勲の星を挙げたシモーニ。「金曜の夜にいけるか?と問われたので、”準備はでき
てます”と答えたよ。最初は少しあがってしまったけれど、徐々に雰囲気にも慣れて
いった。素晴らしいデ杯デビューになったね。」
バミューダショーツにサンダル履きという”ビーチボーイスタイル”で応援に回っていたグガも、
シモーニに祝福を贈る。「彼は、僕が(金曜の試合で)疲れていたから出場することになったわけでは
ないんだよ。僕達は皆同じレベルでプレーができるし、この状況に対応する準備もできていた。だから、
シモーニはチームの重要な選択枝のひとつだったんだ。」そして、「シモン
(シモーニの愛称)は、この勝利をサンディ(人気デュオのひとり)に捧げるらしいよ。」と内輪ネタ
も披露。
ダブルスのスペシャリストとして今回も貴重な勝ち星を挙げたオーシンス。今季からATPツアーでも
ダブルスに専念するそうで、今後もブラジルチームの貴重な戦力であり続けるだろうが、若手揃いの
チームメイトから、”おじいちゃん”と呼ばれることには、ちょっとひと言述べたい様子−−−「
フィニーニョ(メリジェニ)だって、あんまりかわんない歳なんだけどなあ...。」
第1日目 第1・第2シングルス
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第1試合の対アラミ戦は、6−7(4-7)・6−4・3−6・6−1・6−2で競り勝ち、
幸先の良い1勝目をゲット。第1セットをタイブレークで落としたのはまずかったが、先行を
許して後がない第4セットを一気に奪取したのは、さすが。デ杯でこのパターンに入ると、まず
安心で、最終セットはライブスコアも落ち着いてみることができた。ただ、心配なのは
体力の消耗。
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続く第2試合では、メリジェニがアラジを破り(6−4・5−7・6−3・4−3の時点で
アラジが疲労による棄権)、ブラジルが2−0のリード。昨シーズン後半のケガ以来、なかなか
調子が戻らなかったメリジェニだが、さすがの意地をみせてくれた。−−−「試合が進むにつれ
気分が悪くなってきたんだ。身体が重くなって、動きも鈍くなって...。でも、そこで第1試合の
グガを思い出したんだ。彼も同じ状態だったけれど、それに負けなかっただろう?だから自分も
負けなかったよ。」そして、「ダブルスにはシモーニが出るべきだね。」
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メリジェニのコメントからもわかるように、この暑さのなかで連日連戦をこなすのはリスクが
高い。初日で2−0の優位に立ったこともあり、やはり、第2日目のダブルスは、オーシンス/
シモーニの初ペアで臨むようだ。
ドロー決定
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ドローが決定。謎だったモロッコの陣容は、第1シングルスがアラジで、第2シングルスはアラミ。
マスコミは第2シングルスはエラウナウイを予想していたようだが、今回は、グガの”観察眼”
が正しかったようだ。第1日目のブラジル時間10時開始の第1試合は、クエルテン対アラミ。第2
試合がメリジェニ対アラジ。第2日目のダブルスは、今のところオーシンス/クエルテン対
アラジ/アラミとなっているが、当日の試合開始1時間前まで変更可能なので、これは1日目の
結果次第ということになるだろう。
最終調整inリオ
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5日(月)よりチーム全員揃っての練習開始。今回のメンバーは、クエルテン、フェルナンド・
メリジェニ、ジャイメ・オーシンス、アレクサンドル・シモーニ、ダニエル・メロー、
フラビオ・サレッタ、そして
今季よりジュニアを卒業してプロ活動を開始したブルーノ・ソアレス...
という大所帯。(いつもはメンバー入りするアンドレ・サは、今回はダラスのトーナメントに出場中。)
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「暑さが最大の敵となるよ。」というグガのコメントのとおり、リオは連日40℃を越える猛暑。
スウェーデンあたりと対戦するのなら、それも利点となり得るが、モロッコ相手だとねえ。
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午前中の練習の途中で、足をすべらせて膝を強打してしまったらしいが、チームトレーナーの
アレックス・シュトーベル氏(リスボンの優勝スピーチでグガが感謝の言葉を贈ったひとり)の
チェックでは問題なしということで、練習続行。
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月曜の午後には、DIADORAの新シューズ発売のプロモーションのため、ショッピングモールにお出かけ。
テニスショップでの写真&サインセッションの後、ちょっとモール内をぶらぶらしたかったらしいが、
大勢のファンで混乱したため早々と切り上げ、再び練習コートへ。”普通の生活をしたい”というのが
彼の願いだが、ナショナルヒーローのひとりとなった今は、リオやサンパウロといった大都市で
外出するには、6人のセキュリティが必要とさえいわれている。
こぼれ話の後日談
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修理に出されていたマスターズ・カップの優勝杯だが、破損した台座部分の補修が完了し、
来週にはクエルテン家に届けられるそうだ。よかったね。(でも、次回は壊さないように
注意しよう!)
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おばあちゃんにまで”上手くない”といわれてしまったサーファー・グガだが、”上手くなってる
よ!”と言ってくれる人もいる。フロリアノポリス近郊のモーレ・ビーチを本拠とするサーファー
のひとりによると...「以前はウェットスーツも前後ろ反対だったりしたけどね。普通はジッパー
部分が背中にくるんだけど、彼のは前になったりしてね。」「先日もみかけたけど、カットバックも
スナップも何でもやっていたし、凄く良くなってるよ。」
デ杯準備中
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予定通り2日(金)までは、パソスさんのアカデミーでトレーニングを続行。モロッコ戦の会場となる
リオデジャネイロでは灼熱の暑さが予想されるだけに、アカデミーでも実際の試合開始時間に
合わせた”暑い、熱い”練習となっているようだ。
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2回戦敗退に終わったオーストラリアン・オープンに関しては、あまり話したくない様子だが、
チャンピオンズレースについては、「昨年もそうだったでしょ?初めはずっと下にいて、
サンチャゴ(シボレー・オープン)で勝った2月から上昇していった。今年も同じだよ。」
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モロッコ勢のうち、カリム・アラミが早々とリオデジャネイロ入り。「リオの暑さにも慣れているし、
”ホーム”でプレーするような感じだよ。」−−−それはなぜ?と思ったら、アラミの奥さんは
ブラジル出身なのだそうだ。(なぜか勝手に独身貴族だと思いこんでおりました!)
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クレモン、グロージャンの活躍に沸いたオーストラリアン・オープンだが、その期間中、同じ
フランス勢の一角であるジェローム・ゴルマールが、父親のロジェさんと共にフロリアノポリス
入り。サンタ・カテリーナ州テニス連盟に所属するトレーナーの元で、
背中と腰をケアしながらのエクササイズを続けている。クエルテン同様に腰まわりに故障を
抱えているゴルマールだが、はるばるブラジルへやって来るまでには、かなり長く苦しい
故障との格闘があったんだろうなあ。
今回の橋渡し役となったのはパソスさん。そして、そのきっかけとなったのが、昨年のクレーシーズンに
おけるグガの故障と戦いぶり。ツアー中はよく一緒に練習するというふたりだけに、お互いの
具合も気になっていたのだろうが、モンテカルロでグガが背中の故障を悪化させた時、ゴルマールは
「これは、(回復までには)相当に時間がかかるだろうな。」と思ったのだそうだ。ところが、
ローマで復帰したグガは、”トレーナーの適切な指示とケアのおかげ”で、いきなり決勝へ進出し、
翌週のハンブルグでは見事優勝。それに感銘したゴルマールが、グガとパソスさんにトレーナーの
紹介を頼んだらしい。
背中や腰の故障は職業病といえるもので、なかなか完治は難しいと思うが、出来る限りの
注意を払って、ふたりとも気持ち良くプレーできるようになるといいなあ。
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ブラジルデ杯チームのキャプテン・アシオリー氏によると、モロッコ戦の第1日目で2−0とリード
できたら、第2日目のダブルスではクエルテンを温存し、ジャイメ・オーシンスと最近好調の
アレクサンドル・シモーニのペアで臨むつもりらしい。モロッコ相手に2−0リードはなかなか
難しいかもしれないが、是非そうなってほしいなあ。ダブルスだけでも任せられたら、精神的には
かなり楽になると思うのだ。
オフシーズンのこぼれ話
メルボルンから帰国した後は、24日(水)まではお休みという公言どおり、マスコミ
への登場はほとんどなかった。思わぬお休みとなったけれど、十分にゆっくりできたかな??
今週後半からは、プレシーズンと同じく
パソスさんのアカデミーでデ杯へ向けてのトレーニング開始...というところで、書きそこねた
オフシーズンの話題をいくつか...
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最終戦のリスボンでは、パソスさんより数倍目立っていたお母さん。グガと一緒に学校へ通っていた
という、ある幼なじみによると、当時、毎朝グガが家を出るときのお母さんの口癖は、「教科書は
持った?
上着を持って行きなさい。お金はちゃんと持っているでしょうね?」だったという。現在は、
地位も名誉も手に入れた次男坊だが、お母さんの注意は今も不可欠らしい。そして、
結局、現金の持ち合わせがなく、お母さんから借金などしている様子は、子供の頃
おこづかいを貰っていた様子と何ら変わりないそうだ。
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グガが家にいるときのお母さんの”任務”のひとつは、”フリーザーのアイスクリームをきらさない
こと!”らしい。(それなのに、あの体格かあ??)
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もちろんお母さんにとっては、息子が家を離れている時の方が心配事は多いはず。特に、昨年の
シドニーオリンピックでは、出発前の騒動があっただけに、シドニーへ送り出した後も心配
でたまらなかったと思うが、シドニーからのグガの(電話での)第1声は、「お母さん、ここ
(選手村)の料理は凄くおいしいよ!」だったという。私がお母さんだったら、ひゅるひゅると
力が抜けてしまうなあ。
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”歌うのがすき!”というのは、既にお馴染みの事実だが、カラオケ仲間によると「(音程が)
ちょっとズレてるんだよね。」ということになる。
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”サーフィンがすき!”というのも、お馴染みの事実だが、おばあちゃんによると
「ハワイでやるほど上手くはないのよ。」ということになる。おばあ〜ちゃ〜ん!
(でも、テニスが上手いんだからいいじゃないの。)
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リスボンでは、マスターズカップの優勝杯と、2000年チャンピオンズレースNo1杯(?)
を授与されたが、このふたつともクリスタル製。表彰式でも落として壊しはしないかと
ハラハラしてみていたのだが、案の定、ブラジルへ持ち帰る際にどちらかを破損してしまった
らしく、現在、修復中とのこと。
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