校長先生の挑戦 古い写真が見つかった 京陵中学校

熊本市立京陵中学校の校地には、戦前「熊本高等小学校」がありました。このたび、その当時の貴重な写真が見つかり、新聞でも紹介されました。写真とともに、これまでの経緯を紹介します。平成18年8月作成。

写真1が、今回発見された木箱です。京陵中学校前校長・叶先生が校長室を整理したとき、木箱を開けられたそうです。木箱の中には紙箱があり、中にはガラス乾板が入っていました。その数100枚ほどでしたが、数枚は割れていました。そこで叶先生は専門家に依頼して、焼付けをしたのです。

その写真には、昭和10年代の熊本高等小学校(昭和8年・1933年創設)の学校生活が撮影されていました。勤労体験学習を中心とした男子校であり、生徒数も1000名を超えていたようです。この学校は昭和22年3月まで存続し、4月からの新制中学校の発足で廃止となりました。

ガラス乾板は保存のために1枚ずつ茶封筒に入れられ、さらに新しい箱(お茶の箱)に保管されました。これで長く保存されるでしょうし、新しいアルバムも完成したので焼付けをすることもないでしょう。

この写真の存在は熊本日日新聞によって、広く県民に紹介されました。7月19日(水)の朝刊と、7月25日(火)の夕刊です。19日の新聞を見たという方がお二人、学校へ来ました。卒業生ということで、お年は83歳。記憶力は確かで、白川までくり石を拾いに行ったことや担任の先生のお名前まで聞きました。

商・工・農・普通の四科があり、職業教育を中心とした学校だったようです。なお普通科は現在の予備校のような科で、進学を目的としていました。年齢は13歳から二年間だったようです。写真4の光景は、校庭での相撲大会です。土俵が三つあったとか。

写真5 当時の正門です。現在と同じ場所にありました。自転車を押している生徒二人、幼児をおぶった女性の姿が見えます。現在の校舎は校地の北側にありますが、写真では南側にあります。

写真6 校舎の狭い敷地で、生徒が作業をしているものです。生徒はスコップを手に持って、溝を掘っています。写真100枚の中には作業の場面が多く、教室での授業の写真がありません。石垣造り・噴水造り・プール造りと現在では考えられない風景が残っています。

写真7 知る人ぞ知る、懐かしい展覧会。着物を着たお母さんが、真剣なまなざしで見学しています。実際の大きな写真を見ますと、履物店の出店が確認できます。万国旗も華やかですね。

写真8 今でも行われている水泳大会です。ふんどしを締めた生徒がスタート台に立つ、別の写真もあります。すごいと思うのは、このプールが生徒の手による建造物ということです。工事中の写真もありました。

この写真は、二冊のアルバムになっています。またデジタル化されて、1枚のCDに集録されました。ご覧になりたい方は、京陵中学校へお出でください。