地蔵に関する用語集

放牛石仏に関する用語を集め、その意味を調べてみました。印相(いんぞう)については、別のページです。

地蔵

地蔵菩薩のことです。釈迦の没後、弥勒仏が出現するまでの無仏の期間、六道で苦しむ衆生を教化・救済する菩薩です。日本では平安時代から広く信仰されるようになりました。一般的には左手に宝珠、右手に錫杖を持っています。また、その姿は頭を丸めた僧の形をしています。六道の救済に当たることから、六地蔵の信仰が生まれました。また、子どもを守るということで、幼くして死んで賽の河原で苦しむ子どもを救済すると信じられています。

阿弥陀

阿弥陀如来のことです。平安時代に信仰が高まり、浄土宗・浄土真宗の本尊になっています。修行中に衆生(人々)救済の願を立てました。現在は成仏して、西方の極楽浄土で教化しているといわれます。自力で成仏できない人も念仏を唱えれば、その救済力によって極楽に往生すると言われています。

蓮華座

本来は釈迦の居場所を示すものでしたが、次第に仏像に威厳と安定感を与えるものになったようです。雲座、蓮華座、鳥獣座などいくつかの種類があり、これらをまとめて台座といいます。蓮華座は、蓮華(ハスの花)形をしています。放牛石仏の大半は蓮華座になっています。

舟型光背

阿弥陀如来や地蔵菩薩は、身体から偉大な智慧の光を放ちます。この光はどこまでも届き、人々を救うと考えられています。この光のことを、後光ともいいます。この光を形に表したものが、光背です。輪光・宝珠光・火焔光などがあり、舟型光背もその一つです。舟を真上から見た形をしていて、先端はとがっています。放牛石仏はすべて、舟型光背です。石造りの場合、この形が一番都合がいいようです。

六道

すべての衆生が生死をくり返す六つの世界です。迷いのない浄土に対して、まだ迷いのある世界を意味します。地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道の六つです。

衆生

心をもつすべての存在を意味します。人々という意味で使われることが多いようです。

菩薩

悟りを求めて修行している者を表します。如来の慈悲行を実践し、衆生(人々)を救います。サンスクリット語では悟りを求める者の意味があり、地蔵菩薩や弥勒菩薩などがあります。悟りを開いた者は如来となりますから、地蔵菩薩は阿弥陀如来になるために修行を続けていると考えられます。放牛は、自らを地蔵菩薩にたとえた気がしています。