推理・楽天知命 |
放牛上人が石仏に刻んだ道歌について、自分なりに解釈をしました。その中で、「楽天知命」ということばに興味を惹かれました。道歌の中に楽天知命という語句は表れませんが、放牛が民衆に説いて回った説法の内容と同じではなかったのかということです。それは、散歩の途中に墓地がありますが、墓石に「楽天」と「知命」が左右に刻まれていたからです。
楽天知命の意味は、次の通りです。
「楽天知命 故不憂」 〜 ( 天を楽しみ命を知る、故に憂えず )
天の定めを楽しみ、自分の運命を悟り自然の理に任せる。だから心配事は何もない。
なぜ楽天知命に興味を持ったかといいますと、次のような道歌があるからです。
過去よりも 未来に通る 一と休み 雨降らば降れ 風吹かば吹け(
第003体・
第005体) |
道歌の解釈がすべて正しいとは思っていません。しかし、現世の苦しみもほんのしばらくの辛抱である、あるいは死後の世界はみな平等であると説いているような気がしています。仏の世界は平等であり、かつ仏に守られているという教えが、自分の運命を知り自然の理に任せようではないかということにつながると思います。