うと地蔵まつり

平成15年8月23日(土)は、毎年「うと地蔵まつり」が開催させています。24日までの二日間、熊本県・宇土市の本町通りは大変な賑わいをみせます。熊本の三大夏祭の一つということで、各地から見物人がやってきます。私は午後5時頃に自宅を出発し、JRで宇土に向いました。

お地蔵さんが主役の祭ですが、宇土市の場合は造り物が有名です。通りに安置されている地蔵はきれいに掃除がしてあり、花や果物等のお供え物も飾られています。小学生の子どもたちは、浴衣姿で鐘をたたきながら、お賽銭を求める唄を歌います。宇土の地蔵祭は350年の歴史があり、宇土藩主の細川行孝が地蔵尊をまつったとされています。しかし、路傍の地蔵尊は修行中の姿ですから、なかなか主役になることはありません。

本町通りにやってくると、大きな造り物が目に入ります。材料は何でもありの造り物ですが、商店街の人が時間をかけて造っています。左の写真は、虎と竜を題材とした「竜虎」です。右の写真は、宮本武蔵と佐々木小次郎の戦いを描いた「巌流島の闘い」。造り物は世相を反映し、ボブサップや招きトラもありました。そして、数多くの露店が並び、おいしそうな香りも漂っていました。

 

今回地蔵まつりに来た主な目的は、宇土市コミュニティハウスに展示してあるお地蔵さんを見るためです。放牛地蔵に興味があり、いつかは自分で彫ってみたいという気持ちを持っています。宇土市では地蔵をテーマにして、活性化が図られています。コミュニティハウスでは、一般の方を対象に「お地蔵さん工房」が開設されました。工房は、熊本県美術協会会員の石崎大徳氏が指導されています。製作期間は六週間程度であり、しかも道具類はすべて準備されています。

どの作品もすばらしく、初心者とは思えない物もあります。ここに通う人は宇土市だけでなく、熊本市や玉名市の方もいました。高さ40cmほどのこの地蔵は、宇土市の特産品・馬門石(まかどいし)で造られています。馬門石は凝灰岩の仲間で、ピンク色です。この石の建造物としては、船場橋(コミュニティハウスの近くの眼鏡橋)や轟水源から引かれた轟泉水道が有名です。
案内役のOさんから、詳しい説明がありました。特別に、道具一式や作業場も見せていただきました。経費は実費(石材費用)のみで参加でき、しかも自宅から近いので、いづれ申し込む予定です。