放牛石仏・第8体B

(場所) 住所は、熊本市島崎5丁目2です。新町のトンネルの中を過ぎて、井芹川を越え、さらに直進します。やがて島崎派出所が右手にあり、その先20mほどに三軒屋橋という橋があります。右折して橋を渡ると、すぐに右方向へ登る坂道があります。その道に沿って100mほど行くと、突き当たりに小さな墓地(三軒屋墓地)があります。この墓地の奥に、第8体Bの石仏があります。

          

 

(石仏) 墓地の中にひっそりと安置されていますが、堂などはなく、露座になっています。阿弥陀如来の立像です。上品下生の印相をしていますが、右手の指はすべてなく、左手の指も二本欠けています。鼻も欠けていますし、光背の右上が一部欠損しています。この石仏は享保8年(1723)の建立で、この年最後のものです。

(測定) 蓮華座の底から測定した全体の大きさは、93cmです。蓮華座の高さは、18cmです。その上に、高さ50cmの仏像があります。光背の幅は37cmあり、蓮華座底辺の幅は34cmです。台石は、横と縦が同じで33cm、高さは23cmあります。台石の上に二ヶ所穴があり、花が生けられるようになっています。

(文字) 光背の上部に、「六阿弥陀」と彫られています。またその近くに右から左へ「他 力」と彫られています。光背の右側に「くわんしゅくまもと 古大工町放牛」、左側に「享保八卯十二月日」と彫られています。蓮華座に「放」、その下に「牛」と書かれています。

(備考) 平成14年1月6日に訪問しました。石仏の周囲は竹垣のために日陰となりやすく、撮影するのが困難です。石仏は東を向いていますので、午後か曇り日のほうがいいようです。この近くは江戸時代の名残りを示す庭園、「叢桂園」や「釣耕園」などがあります。先ほどの道に戻り、西の方角へさらに進めば岳林寺があり、右折して進めばやがて鎌研坂(かまとぎざか)に行くことができます。