放牛石仏・第15体

(場所) 熊本市京町1丁目2の愛染院前です。山門の左側にいくつかの石仏があります。一番奥の最も大きい石仏が15体目の放牛地蔵です。熊本城から行けば、新堀橋を渡って50m先の左手になります。平成13年10月6日に訪問しました。この石仏は、享保9年(1724)の建立です。

          

 

(石仏) 頭髪がありますので、地蔵菩薩ではありません。右手が施無畏印、左手が与願印の釈迦如来のようです。私の持っている別の資料には阿弥陀如来であるとも書かれています。その根拠は左手の親指と人差し指で輪を作っているからというものです。輪を作っていれば、九品来迎印(阿弥陀如来特有の印)の中の、上品下生の印になります。実際に見ましたが、指が折れていて判断がつきません。

(測定) 蓮華座の下から全体の高さは、93cmあります。蓮華座は17cmあり、仏像の高さは53cmです。光背の幅は36cmで、蓮華座の下部は34cmです。台石はありません。

(文字) 光背の右側に、「他力」と「願主放牛」の文字が見えます。また左側には、「十五体目」と彫ってあります。

(備考) この放牛石仏がもっともお城に近いようです。ここを起点にすれば、池田1丁目の放牛石仏をいくつも探すことができます。あるいは熊本城監物台植物園や熊本市立博物館、熊本県立伝統工芸会館を見学するのも楽しいでしょう。