放牛石仏・第20体

(場所) 紺屋町3丁目の白川沿いです。市電通りからニュースカイホテル前に左折して、直進します。白川沿いに進み信号を一つ通れば、瓦葺きのお堂が見えます。大きなお堂の中にあり、一番大きな右奥の地蔵です。全高152cmの地蔵立像です。普段は入口の戸に、鍵がかかっています。近所の方(Mさん)が管理していて、朝早く行けば会うことができます。ここの白川の反対側にも3体目と27体目があります。

          

 

(石仏) かなり大きい感じの地蔵菩薩の立像です。左手に宝珠を持ち、右手には幡(はた)を持っています。幡を持っている地蔵は、この20体だけです。幡というのは、菩薩の威徳を示すためのかざりの道具です。さおの先に三角形の金具があり、そこに細長い布を下げます。バンともいいます。地蔵立像としては、最大のものです。
この石仏は、享保9年(1724)の建立です。享保9年に建立した最後の作品となっています。

(測定) 蓮華座の底辺からの全体の高さは、152cmあります。蓮華座の高さは25cmあり、仏像の高さは93cmあります。光背の幅は58cmあり、蓮華座底辺の幅は40cmあります。台石は堂の床下になっていますが、横42cm・縦44cm・高さ74cmとなっています。

(文字) 光背の右上部に道歌が彫られています。また右側の下に「他力願主放牛」、左側下に「二十体」と彫ってあります。また担いでいる幡には「南無阿弥陀佛」と刻まれています。

(道歌) 世をすくふ心は我もある物を かりの姿はさもあれはあれ 

(備考) 平成11年8月31日に一度訪問しましたが、測定しませんでした。そこで平成14年1月11日に再び訪問して、詳しく測定したあと撮影しました。建立したときからの状態のように、保存もすばらしく、一見の価値があります。まったく風雨にさらされていませんので、苔むしていません。唇に口紅が塗ってあるのが愛敬でしょうか。この地蔵の横にもう一つ大きな地蔵があります。両手で宝珠を持っている座像です。地域では「団子地蔵」と呼ばれているそうです。