放牛石仏・第21体

(場所) 熊本駅から県道を小島町へ向けて進み、高橋を過ぎたところに松尾町があります。右手に今田自動車がありますので、橋を渡り右折します。その松尾川に沿って上流に進みます。途中川から離れますが、右手に進んでいくと大石建築会社の建物があります。熊本市松尾町上松尾です。さらに進めば「昭和橋」があり、松尾東小学校前となります。建築会社の目の前に高い石垣がありますが、その角に第21体があります。堂はありません。

          

 

(石仏) 聖観音菩薩の立像です。かなり壊れていて形がはっきりしませんが、右手に錫杖、左手は印を結んでいるようです。頭に宝冠をのせているようです。聖観音というのは、十一面観音や千手観音が生まれてから、それらと区別するために呼んだ名称です。この石仏は、享保10年(1725)の建立です。享保10年に建立した最初の作品となっています。この年に放牛は、10体の石仏を建立しています。

(測定) 全体の高さは116cmありました。その下に高さ24cmの台石があります。台石の縦は37cm、横も37cmでした。仏像の高さは72cmあり、蓮華座は17cmの高さです。光背の幅は40cmで、底辺は37cmとなっています。

(文字) 光背の正面右に「二十一体目」、左上に「享保十乙巳正月十八日」左下に「熊本願主 多力放牛」と刻まれています。

(備考) 地蔵が多い中で、珍しい聖観音像です。しかし、いたみが激しいのでもったいない気もします。地盤も弱い上に何度かの地震で倒れたのかもしれません。平成13年9月8日に訪問しました。