放牛地蔵・第30体B

(場所) 熊本駅から南に進み、田崎陸橋を右手に見て直進します。この交差点のすぐ左に旧道があります。ここは小さな墓地になっています。この30体目Bの地蔵は台石も含めて190cmありますので、かなり大きな放牛地蔵です。すぐ右横に小さな39体目があります。

          

 

(石仏) 大変大きな地蔵の座像です。地蔵の特徴で、右手に錫杖、左手に宝珠を持っています。錫杖もりっぱな彫物になっています。仏像部分と蓮華座は別々の石で彫られています。蓮華座も見事で、直径84cm、高さ31cmもあります。この蓮華座に大きな仏像をどのようにして乗せたのでしょうか。この石仏は享保11年(1726)、最初の建立です。

(測定) 蓮華座の基部からの高さが137cmあり、仏像の高さは100cmあります。光背の幅と蓮華座底辺の幅は80cmでした。顔の幅も測定したところ、約30cmもありました。台石は、横45cm・縦42cm・高さ46cmです。

(文字) 光背右上に「セキノ」、左下に「放牛」と彫られています。台石の正面には、大きな文字がはっきり見えます。右側には「三拾体」 「享保十一丙午正月二十四日」、中央に「六導能化教主」、左側に「願成就」 「願主放牛敬立」と刻まれています。

(備考) 台石に「願成就」と彫られていることから、この第30体は一つの目標だったようです。最も大きい往生院の第百体に次ぐ大きな地蔵です。しかし、なぜ30体が二つあるのかはわかりません。平成13年9月15日に訪問しました。地蔵の前に小さな堂があるため、全体の撮影はできません。台石もかくれてはいますが、何とか見えます。