放牛石仏・第31体

(場所) 熊本市北迫町の三叉路にあります。一回目に訪問したときは30分間以上もバイクで走り回り、諦めかけていたときにこの三叉路に偶然到着しました。二回目の訪問のとき、周りの地理が理解できました。大きなクスで有名な「寂心さんの樟」にまず行ってください。その東側を通る道に、きれいに並んだ墓があり、その前を小さな道が町(集落)の中へ向かっています。この細い道に沿って300mほど進むと、この三叉路に着くことができます。

          

 

(石仏) 高い位置にあるため、大変大きく見えます。地蔵菩薩の立像で、右手に錫杖を持ち、左手に宝珠を持っています。堂の横に水盤がありますが、これにも放牛の名が刻まれていました。この石仏は享保11年(1726)建立ですが、この年は4体だけとなっています。

(測定) 蓮華座の底からの全体の高さは、92cmです。蓮華座は10cmで、仏像の高さは56cmあります。光背の幅は33cmあり、蓮華座の底辺幅は30cmです。ついでに錫杖の長さも測定したところ、69cmありました。
水盤 〜 形はだいたい直方体といえます。外側の長さは、横43cm・縦21cm・高さ33cmになっています。この中は水を入れるように掘ってあります。その内側の長さは横32cm・縦13cm・深さ7cmとなっています。計算上では3リットルの水が入ります。なおこの水盤の正面には、「侘力」と彫られています。

(文字) 光背には文字がありません。台石に「他力」 「享保十一丙午暦」 「七月十一日」と刻まれています。

(備考) 堂の前はがけのようになっていて、大変撮影しにくい状況です。足元には十分注意してください。石段はありますが、すべりやすい状態です。平成13年11月24日に、二度目の訪問です。