放牛石仏・第32体

(場所) 熊本市梶尾町本村の屋敷の三叉路にあります。初めて通る道で、目的の物をさがすというのは大変なことです。ここも近所の方に教えていただきました。周辺には甲佐神社や産交バス停梶尾がありますが、やや離れた場所になります。道路が入り組んでいて、本道から入らなければなりません。近くには小さなお宮がありました。

          

 

(石仏) ブロック造りの堂の中に、両手に宝珠を持った地蔵菩薩の立像が安置されています。台石の下にも別の台石が二つありますので、とても大きく見えます。残念なことにお顔の右側が破損して、ほほの部分がありません。また、顔の中央に大きくひびがはいっています。この石仏は、享保11年(1726)の建立です。

(測定) 蓮華座の底からの全体の高さは、96cmです。蓮華座は13cmで、仏像の高さは62cmあります。光背の幅は39cmあり、蓮華座の底辺幅は31cmです。台石の長さは、横30cm・縦30cm・高さ42cmの縦長になっています。

(文字) 台石の中央に、「奉造立」と刻まれています。さらに、左右に「享保十一丙午天」 「九月十四日」と彫られています。

(備考) この石仏の特徴は、光背の先端がとがっていることと、法衣から出ているつま先がりっぱなことです。ていねいに仕上げたことが伺えます。顔がこわれているにもかかわらず、指先や宝珠はきれいです。平成13年11月24日に訪問しました。