放牛石仏・第34体

(場所) 熊本市池亀町にあります。井芹中学校の北になり、鈴麦線からJRの線路(池亀踏切)を渡ります。踏切を渡ったらすぐに左折します。右側の高台に沿って300mほど行くと、この堂に着きます。道路がせまく、しかもめったに通らない場所のためわかりにくい所でした。高台のふもとにあり、大きな説明板も建てられています。二年前に訪問したことがありますが、そのときは堂がありませんでした。今回は、どっしりした堂が作られていました。平成13年10月14日に出かけました。

          

 

(石仏) 両手に宝珠を持っている地蔵菩薩の立像です。光背の一部が欠けています。この地蔵も前方へ倒れたことがあるのでしょう。目と鼻がつぶれています。台石はありません。この石仏は、享保12年(1727)の建立で、その年最初のものとなります。

(測定) 蓮華座の底からの全体の高さは、96cmです。蓮華座は16cmで、仏像の高さは57cmあります。光背の幅は39cmあり、蓮華座の底辺幅は28cmです。

(文字) 光背の右側に「他力願主放牛」、左側に「三十四体目」と彫られています。

(備考) 台石はありません。その代わり、新しく高さ6cmの大理石が敷かれていました。熊本市が設置した説明板に、父が切り殺された日と放牛上人が亡くなった日が記してありました。貞享3年1月4日に、父と武士の事件がありました。放牛上人が亡くなった日は、享保17年(1732)11月8日です。