放牛石仏・第39体

(場所) 熊本駅から南に進むと、田崎陸橋の大きな交差点に出ます。市電の終点を過ぎ、陸橋を右手に見て直進します。この交差点の左に旧道があります。ここは狭い墓地になっています。ここに小さな堂があり、第39体地蔵が安置されています。その上を見上げると大きな第30体目Bの地蔵があります。

          

 

(石仏) 放牛石仏には珍しい薬師如来で、座像になっています。手は印を結んでいます。光背に薬師如来の文字がありました。一般的には薬師如来は薬壺を持っているわけですが、この石仏は釈迦の定印を結んでいます。この石仏は、享保12年(1727)に建立されたもので、この年最後の製作です。

(測定) 蓮華座の底から全体の高さは、67cmです。蓮華座の高さは14cmです。仏像の高さは40cmです。台石は横31cm・縦31cm・高さ45cmです。

(文字) 光背の右側に「薬師如来」 「願主」、左側に「三十九体目」 「放牛」と彫られています。台石の正面中央に「他力梅木村」、右に「石部丁未年九月」、左に「草津」 「放牛」と彫られています。

(備考) 光背の角がすりへっていますが、保存状態は良いです。文字も読めますし、割れてもいません。特に顔の表情がいいです。自宅からも近い場所で、ここの交差点はいつも利用します。平成13年9月15日に訪問し、第30体Bとともに撮影と測定をしました。