放牛石仏・第41体

(場所) 熊本市河内町岩下(いわのした)にあります。本妙寺から金峰山へ向かいます。峠の茶屋の交叉点に来たら、そのまま直進(河内方面)します。峠の茶屋から200mほど行くと、左下へ降りる細い道があります。ここには、「漱石草枕ハイキングコース」の標識が立っています。細い道から下り、徒歩で10分のところに写真の石仏があります。車は行けますが、離合しにくくなります。途中、いわのした橋を渡り竹林の中を進むと、自然石で作られた大きな石垣があります。その先の左側の角に、この地蔵堂があります。

          

 

(石仏) 仏像がありませんので、独特の雰囲気があります。大きな高い台石の上に、笠石がのせられています。正面と左側面に文字が刻まれていますが、彫りが浅いうえに風化して読みにくくなっています。この石仏は、享保13年(1728)に建立されたものです。

(測定) 台石の高さは、102cmあります。台石は正四角柱でなく、底辺部が広くなった錐体です。上の部分は縦横ともに27cm、底辺部は縦横ともに36cmあります。笠石は横幅94cm、奥行き88cm、厚さ14cmほどの自然石です。台石底辺から測定した全体の高さは116cmでしたが、笠石がデコボコですから正確ではありません。

(文字) 正面は次の通りです。「是より」 「右 たけ野出道」 「左 いわと道」 「他力四十一体目 願主放牛」。下に道歌が刻まれています。

(道歌) かミほとけ おかまぬさきに おやおかめ かミやほとけも うれしかるらん

(備考) 途中数軒の民家はありましたが、夜一人で歩こうとは思いません。この道の先は集落がありますので、峠の茶屋への近道といった感じです。トタン板の屋根もありますから、保存状態はいいと思います。しかし、お参りする方はいないようです。新しい年を迎えるために忙しいのに、平成13年12月31日に訪問しました。