放牛石仏・第48体

(場所) 熊本市春日2丁目の音羽屋と熊本ファミリー銀行の路地から入って200mほど直進します。突き当たりがT字型の三叉路になっていて、大きめの堂があります。いくつもありますが、中央の地蔵が、48体目です。高さ1m程度の阿弥陀如来座像です。左に58体目があります。保存もよく、傷んでいません。

          

 

(石仏) 阿弥陀如来の座像です。手は上品上生の印相をしています。蓮華座と光背部分は別々の石で造られています。蓮華座の造りも仏像の造りもていねいで、今までの放牛地蔵とは異なる印象があります。蓮華座の弁も何枚もの花びら模様になっています。仏像も含めて黒く塗られているように思います。というのも、鼻の部分が欠けて地肌が見えていますが、そこだけは灰色だからです。この石仏は、享保13年(1728)に建立されたものです。

(測定) 蓮華座の下から全体の高さは105cmです。蓮華座の高さは19cmあり、その上に56cmの仏像が乗っています。蓮華座を除いた光背の高さは85cmでした。光背の幅は40cmですが、底辺は37cmあります。台石はありませんでした。

(文字) 光背上部に「四拾八阿弥陀佛」とあります。また右側に「享保十三戊申歳」、左側に「願主他力放牛」と彫られています。文献では台石に文字が彫られていたようです。

(備考) 平成13年9月23日に二度目の訪問でした。この家の方と話をしたところ、ここは元はお寺であり、観音様を祀っていたとのことです。お堂の中の小さな仏像は、誰かが夜こっそり置いていくのでこのように増えてしまったとのことでした。