放牛石仏・第54体

(場所) 熊本市池田1丁目15です。熊本大学付属小学校の横を通り、北上します。県道を注意して進めば、左側に美容院があります。ヘアーサロン「マリ」の右側の堂にこの地蔵があります。エプロンの上から触れると、テニスボールの大きさの球がありますのですぐわかると思います。車の往来が激しいので、事故には注意してください。

          

 

(石仏) ここは保存の状態がいいです。特に仏体は傷みがなく、昔のままといった感じがします。両手に宝珠を持っている地蔵菩薩の立像です。光背の一部が赤く塗られています。これは文字が良く見えるように、だれかが色をつけたのでしょう。この石仏は、享保14年(1729)に建立されたものです。放牛上人は享保14年に18体の石仏を建立していますが、この石仏がその年の最初の製作です。

(測定) 蓮華座の底辺から測定した全体の高さは、113cmあります。蓮華座の高さは20cmあり、その上に高さ64cmの仏像があります。光背の幅は43cmあり、蓮華座底辺の幅は細くなり35cmでした。台石の長さは、横43cm・縦39cm・高さ34cmです。

(文字) 文字に着色してありますので、私にも読めました。光背の上部に「南無阿弥陀仏」、顔の右側に大きく「五十四体」、その下に「享保十四酉正月 日」と刻まれています。光背の左側に 「他力 放牛」と彫ってあります。
台石には「享保十四己酉年」、「講中」、「放牛」、「正月廿四日」と刻まれています。

(備考) 地蔵の前にはいろんな物が、所狭しと置かれています。マリ美容院のご主人にお願いして、撮影させていただきました。花瓶や花、ろうそく立てなどをていねいにわきによけ、撮影しました。長さを測定したあとは、元通りにするのが礼儀です。地域の方が大切に守り、お参りした仏像です。私が訪問したのは、平成13年10月6日です。