放牛石仏・第85体

(場所) 熊本市松尾町近津です。。小島町から西へ進み、国道501号線から右折して近津川沿いに進みます。1kmほど進んだ所の鹿島神社の前を過ぎ、さらに200mほど行くと道端に地蔵があります。川沿いですし、道は一本ですから、すぐに見つかります。

          

 

(石仏) 光背の上は壊れていて、頭から上はセメントで補修してあります。両手に宝珠を持つ地蔵立像になっています。堂はなく、野ざらしの状態です。この石仏は、享保16年(1731)に建立されたものです。

(測定) 蓮華座の底から全体の高さは、73cmです。仏像の高さは61cmあり、蓮華座の高さは11cmです。光背の幅は35cmあり、底辺の幅は30cmです。台石はありません。

(文字) 光背の右に「十六辛亥正月 日」、左に「力 願主放牛」と刻んであります。セメントの補修部分に「享保」と「他」の文字があったと思われます。

(備考) 平成13年9月22日に二度目の訪問をしました。写真を撮ったり長さの測定をしていると、近所の方が不思議な顔をします。地域の方から見れば不審者になることもありますので、挨拶をして近くにいる方に許可を取ることにしています。許可を取れば親切な方も多く、昔の話をしてくれます。布で作った前掛けをはずすときは要注意です。古くなったひもが切れることがあります。予備のひもを持っていくこともあります。帰るときには元通りにするのが礼儀です。