放牛石仏・第86体

(場所) 所在地は熊本市島崎2丁目33のふくい電気店の前です。電気店は千原台高校の東側にあり、コアマンション島崎の隣です。広い墓地は高島墓地といいますが、地蔵は入り口にあり、しかも標木が立ててありますのですぐにわかります。

          

 

(石仏) 阿弥陀如来の座像です。両手で阿弥陀定印「上品中生」を結んでいます。しかし、光背には「釈迦佛」と書かれています。野ざらしのために、苔むしています。文字も読みにくくなっています。台石は石仏と一緒に作られたものでなく、後で置かれたようです。この石仏は、享保16年(1731)に建立されたものです。

(測定) 蓮華座の底辺から測った全体の高さは、80cmです。高さ15cmの蓮華座の上の仏像は、高さが42cmでした。光背の幅は37cmあり、これは蓮華座の底辺の幅と同じになっています。
本来の台石であれば、蓮華座の底辺とほぼ同じ横の長さになりますが、この台石は縦横ともに49cmとかなり大きなものです。

(文字) 光背の上部に、「釈迦佛」 「念仏」 「妙法」と彫られています。光背の右側に「享保十六辛亥二月」、左側に「八十六体 他力願主 放牛」と書かれています。

(備考) 阿弥陀定印を結んでいるということで阿弥陀如来とは思いますが、光背には釈迦仏と書かれています。このようにいくつかの仏像で疑問を感じるものがあります。夏休みにも一度訪問しましたが、平成13年9月16日に再度測定しにでかけました。

第86体(釈迦仏と阿弥陀如来の混合仏)

第30体Aと全く同じ理由です。光背に「釈迦佛」と刻まれて、しかも頭髪は、螺髪(らほつ)です。一方で、両手の印相(いんぞう)は、阿弥陀如来特有の「上品中生」になっています。そこで、首から上は釈迦如来、首から下は阿弥陀如来の混合仏となります。