放牛石仏・第88体

(場所) 熊本市高橋町の坪井川と井芹川がY字型に交わる合流点のすぐそばです。熊本駅から西へ進み、三和中学校の前を通過します。やがて井芹川にかかる橋があり、その手前から左へ行く道が一本あります。県道から200mほど入り、大きな楠を探せばそこにあります。小さな堂の中に88体が安置されています。となりのお宮は、「道君首名」(みちのきみのおぶとな)をまつる天社宮です。

          

 

(石仏) 一般的な地蔵菩薩の立像です。首の部分で折れ、補修してあります。顔の部分はかなり傷んでおり、鼻など欠けています。両手で宝珠を持っています。この石仏は、享保16年(1731)に建立されたものです。

(測定) 台石をのぞく高さは95cmの地蔵立像です。仏像の高さは50cmあり、蓮華座は27cmありました。光背の幅は36cmで、底辺は30cmになっています。台石は、横30cm・縦31cm・高さ30cmありました。この台石は下の部分が34cmあり、台形になっています。

(文字) 光背の右に「他力」、左に「八十八体放牛」と見えます。台石正面に「享保十六・・」「講中」「願主 放牛」と刻まれています。

(備考) この石仏は、私の自宅から一番近い放牛石仏になります。高橋町は江戸時代に発展した商業の町です。それは河川を中心とした輸送方法がとられたからです。また城山には古墳等も発見されており、歴史も古いことがわかります。近くには高橋稲荷神社があり、2月の初午は大変な賑わいを見せます。ここには何度か訪問したことがありますが、この写真は平成13年8月27日の撮影です。