放牛石仏・第89体

(場所) 熊本市戸坂町です。新町と高橋を結ぶ県道ですが、車の離合が難しい道です。細い路地を入ると、大きないちょうが二本あります。ここが戸坂公民館です。大きなお堂の中にあります。近所の方の許可を得て、格子をはずしました。首の部分で大きく割れていましたが、きれいに修復してあります。

          

 

(石仏) 放牛石仏の中では珍しい十一面観音菩薩の立像です。左手には水瓶を持ち、右手には未敷蓮華(つぼみのハスの花)を持っています。この石仏は、享保16年(1731)に建立されたものです。

(測定) 全体の高さは93cm、仏像の高さは56cm、蓮華座の高さは16cmでした。光背の幅は41cmで、底辺の幅は30cmありました。

(文字) 光背の正面右に「他力 八十九体 放牛」と刻まれています。光背の上部に道歌が彫られています。

(道歌) 花はくれない 柳はみとり 人の心にふりやいらぬ

(備考) 1年前にも訪れましたが、格子戸があり、石仏を見ることができませんでした。平成13年9月6日に再度訪れ、近所の方にわけを話し、格子戸を開けました。このように未敷蓮華や水瓶を持っていたりすると、なぜか気持ちが高まります。このような石仏がそれほどたくさんないからでしょう。