放牛石仏・第90体

(場所) 住所は、熊本市小沢町152です。西福寺の山門左の堂のなかです。小沢町は細工町の北方角になり、熊本市立五福小学校もこの近くになります。この周辺はお寺がたくさんある町です。道路沿いにトタン葺き木造の堂があります。写真では、奥にある一番大きな地蔵です。

          

 

(石仏) 左手に大きな数珠を持っています。右手は、長い錫杖をつかんでいます。かなり大きく、見上げてしまうような地蔵菩薩の立像です。仏像が倒れないように、光背に二本の木材が取り付けられています。この石仏は一度倒れたのでしょうか、足首のすこし上で斜めに折れています。この石仏は、享保16年(1731)に建立されたものです。全体の高さは139cmあり、第20体の次に大きな石仏です。

(測定) よじ登ることはできませんので、手前から測定しました。台石をのぞく全体の高さは、139cmあります。仏像の高さは79cmあり、蓮華座は29cmありました。光背の幅は55cmで、底辺は50cmになっています。台石は、六角形です。床板の下にあるため、測定できませんでした。錫杖の長さは、69cmです。

(文字) 文字には朱で、色づけられています。光背の右側に「今世後世能引導」、左側に「他力 九十体 放牛」と刻まれています。

(備考) 保存もよく、しかも放牛石仏の中では最高ではないでしょうか。数珠の長さは30cmほどあり、その数は33個です。よくこんなに彫ったものだと感心します。平成13年12月24日に訪問しました。