放牛石仏・第92体

(場所) 熊本市大江4丁目19−22。是法神社境内にあります。大江校通りバス停の前が是法神社です。開新高校の西がわです。写真では堂はありませんが、大きな榎の下にありました。平成13年9月7日に再度訪れました。このときは新しい小さな堂が完成していました。大きく「放牛地蔵92体」とかかれたのぼりもありますので、すぐに見つかります。

          

 

(石仏) 高さ91cmの観音と地蔵の混合仏の立像です。右手に未敷蓮華(みふれんげ・つぼみのハスの花)を持ち、左手に宝珠を持っていますが、珍しい組み合わせです。普通の地蔵では、宝珠を持てば右手は錫杖になります。この石仏は、享保16年(1731)に建立されたものです。

(測定) 仏像の高さ57cm、蓮華座の高さ12cm、光背の幅37cmありました。台石を測定したら、縦と横30cm、高さ32cmありました。

(文字) 光背の左側に「他力九十二体 願主放牛」と彫られています。右側には道歌も彫られています。

(道歌) をやのまへふかうのみにて神佛 たすけ給へといふそおかしき

(備考) 県立劇場での出張の帰り、ここへ立ち寄りました。うっかりして台石の長さと文字を見落としました。もう一度行く予定です。何度も行けば、新しく気づくこともあるでしょう。文献では観音と地蔵の混合仏となっていますが、その根拠は持物なのかがわかりません。私は仏像の頭が僧であるため、地蔵と思うのですが。ここを訪問したのは、平成13年9月7日です。

第92体(観音菩薩と地蔵菩薩の混合仏)

頭に観音菩薩の特徴である石冠(宝冠)を載せています。しかし、右手には未敷蓮華を持ち、左手には宝珠を持っています。放牛石仏で宝珠を持っているのは、ほとんどが地蔵菩薩です。そこで、首から上は観音菩薩、首から下は地蔵菩薩の混合仏となります。