放牛石仏・第93体

(場所) 東バイパスの田迎町田井島から国道266号線を南下します。熊本市画図町の加勢川にかかる中の瀬橋が目印です。中の瀬橋の手前から右折して西方向へ20m程進みます。そこに中の瀬バス停があり、近くに古びた堂があります。中をのぞくと右側にお地蔵さんが安置されています。

          

 

(石仏) 両手に宝珠を持つ地蔵菩薩の座像です。顔の表情がなかなかユニークです。穏やかな顔に、長い耳たぶ、そして切れ長の細い目が特徴です。地域の方に大切にされ、守られています。この石仏は、享保16年(1731)に建立されたものです。

(測定) 座像のためそれほど大きくはありません。蓮華座の底辺から測定した全体の高さは、70cmです。蓮華座は13cmあり、仏像の高さは39cmです。光背の幅もその底辺も31cmでした。台石の長さは、横38cm・縦33cm・高さ30cmです。

(文字) 光背の左側に、「他力九十三体 願主 放牛」と彫られています。台石の正面には、右側から「享保十六 七月」「講中」「願主放牛」と彫られています。

(備考) 近くで草取りをしていた方にお話して、撮影の許可をとりました。大変親切な方で、「せっかくですから、地蔵さんを洗いましょうか。」と話されました。いくつもの石仏を撮影しますが、近所の方はこの放牛石仏を村の宝のように思われて、しかも誇りにしておられます。このようなとき、すがすがしい気持ちで石仏を見ることができます。ここを訪問したのは、平成13年9月23日です。