放牛石仏・第96体

(場所) 熊本市徳王町秋鯰にあります。県道鈴麦線を上熊本駅から北に進み、JR熊本工大駅前を通り、フードパルへ左折する交叉点です。信号機には貢町と記されています。この角には酒屋さんがあり、その店の左手です。目印はすぐそばに秋鯰バス停がありますので、簡単に捜すことができます。印相からすれば、阿弥陀如来の立像です。

          

 

(石仏) 頭は観音菩薩ですが、印相は、阿弥陀如来です。傷みが激しく、写真のように光背は折れています。光背全体がでこぼこの状態です。蓮華座の左も欠けています。この石仏は、享保16年(1731)に建立されたものです。

(測定) 蓮華座の底辺から測定した全体の高さは、65cmです。光背が折れていなければ、80から90cmはあったと思われます。蓮華座の高さは13cmあり、その上に48cmの仏像があります。台石は横30cm・縦30cm・高さ43cmあります。なお台石の正面は台形になっており、底の横の長さは35cmあります。

(文字) 光背の右側に「享保十六年十月」、左側に「九十六体」 「願主 放牛」と彫られています。台石には道歌とともに「放牛」の名も見えます。

(道歌) 親のまえふこうのみにて神仏 たすけたまえというそおかしき

(備考) 貢町の交叉点でもあり、捜しやすい場所ですが、車を置く場所に困ります。この交叉点は交通量が多く、一日中にぎやかな所です。車の場合、フードパル近くまで進んだほうがよいでしょう。平成13年11月24日に、二度目の訪問です。

第96体(観音菩薩と阿弥陀如来の混合仏)

この石仏が混合仏となっている理由は、第33体と同じです。頭に石冠を載せていることと、印相が阿弥陀如来の上品中生になっています。そこで、首から上は観音菩薩であり、首から下は阿弥陀如来となります。そのような理由で、混合仏となります。