放牛石仏・第97体

(場所) 住所は、熊本市河内町黒石です。本妙寺から金峰山に向かいます。峠の茶屋の前に来ますと、芳野小学校へ行く県道1号線がありますので、右方向へ上ります。3kmほど進めば、芳野の大きな交差点に出ます。ここには農協支所やガソリンスタンドがあります。ここから県道101号線(右方向・植木河内港線)進みます。ここからさらに300mほど行くと、出羽入口のバス停がありますので、そこから左折します。山道にしたがって1.5km行けば、黒石へ着きます。
あるいは、県道101号線を2kmほど直進すると、東門寺(第102体の場所)へ着きます。さらに東門寺を過ぎて長い坂の途中に「黒石入口」の産交バス停があります。遠回りになりますが、そこから坂道を登るほうが確実かもしれません。

          

 

(石仏) 石仏は、地蔵菩薩の座像です。両手で合掌をしています。自然石を利用した堂になっていますが、岩座が傾いているので、仏像も傾いています。この石仏は、砂岩で製作してあるのではないでしょうか。きめが粗く、額や口の周辺ははく離しています。蓮華座もでこぼこで、はっきりした形ではありません。合掌している指は、すべて折れています。この石仏は、享保16年(1731)に建立されたものです。

(測定) 蓮華座の底辺から測定した全体の高さは、53cmです。蓮華座の高さは10cmあり、その上に33cmの仏像があります。台石は横24cm・縦25cm・高さ35cmあります。

(文字) 光背の右側に「他力」、左側に「願主 放牛」と彫られています。また、台石には正面に道歌が刻まれています。台石の左側面に「村中」、「他力 放牛」と彫られているのが読めます。

(道歌) 一遍の 称名の下に 八十億劫の 罪を滅す

(備考) この地蔵は昭和57年11月30日に、飽託郡河内町町史編さん委員によって発見されました。それにしてもここまで放牛上人がやってきたかと思いますと、その努力に頭が下がる思いです。平成14年1月20日の午前、バイクでここへやってきました。私の自宅(熊本市城山下代町)から22kmの道のりです。