放牛石仏・第98体

(場所) 熊本県上益城郡矢部町上畑の小高い丘の上にあります。上畑というのは矢部町中心街から東がわの地区名です。国道道218号線の上に車道橋がありますので、その近くの坂から登ることになります。写真のような白いお堂の中に安置されています。撮影は平成13年8月28日になりますが、久木野村の放牛地蔵(第35体)をさがしての帰り道です。

          

 

(石仏) 地蔵菩薩の立像です。両手に宝珠を持っています。お堂は新しいものですが、入口が狭いのでのぞきこみました。保存状態はよく、傷んでいません。この石仏は、享保16年(1731)に建立されたものです。

(測定) 蓮華座の底辺から測定した全体の高さは、103cmです。蓮華座の高さは17cmあり、その上に58cmの仏像があります。顔の長さも測定したところ、12cmでした。台石は横38cm・高さ22cmあります。

(文字) 光背の右側に「九十八体」 「享保十六辛亥年」、左側に「他力 熊本願主 放牛」と彫られています。また、台石には正面中央に「講中」、右に「十一月」と彫られています。

(備考) この地蔵は昭和51年6月19日に、矢部町の文化財に指定されています。昭和50年に発見されていますので、対応が早かったといえます。それにしてもここまで放牛上人がやってきたかと思いますと、その努力に頭が下がる思いです。